
Project Glasswing と Mythos Preview — 採択 12 社の全貌
Anthropic が 2026 年 4 月に発表した Project Glasswing と、その専用モデル Claude Mythos Preview の全体像を整理しました。創設パートナー 12 社の顔ぶれ、CyberGym 83.1% など Opus 4.6 を上回るベンチマーク、最大 1 億ドルのクレジット支援、そして日本のユーザーや組織がアクセスできる条件まで、公式情報を一次資料に基づいて解説します。
Project Glasswing は Anthropic が 2026 年 4 月 7 日に発表した業界横断のサイバーセキュリティ構想 で、AWS・Apple・Google・Microsoft・NVIDIA を含む 創設パートナー 12 社 と、重要インフラを担う 40 以上の組織が連携し、防御側に優位性を確立する枠組みを世界規模で構築します。
専用モデル Claude Mythos Preview は CyberGym 83.1%・SWE-bench Verified 93.9% で Opus 4.6 を圧倒し、OpenBSD で 27 年、FFmpeg で 16 年未検出の脆弱性を実証発見しました。参加組織には 最大 1 億ドルの利用クレジット が割り当てられ、Alpha-Omega と Apache へ合計 400 万ドルの OSS 寄付も行われます。
Mythos Preview は 一般公開予定がなく、アクセスは創設パートナー・認定組織・OSS メンテナー・Cyber Verification Program 申請者に限定されます。Anthropic は将来的に Mythos クラスの機能を次期 Opus へ段階統合する 方針を示しており、個人開発者が直接触れる手段は現時点で用意されていません。
目次 (13)
- Project Glasswing とは — 2026-04-07 発表、AI で重要インフラを守る業界横断構想
- 採択された 12 社の全貌 — AWS / Apple / Google / Microsoft / NVIDIA / Anthropic ほか
- Claude Mythos Preview — Glasswing 専用の限定フロンティアモデル
- 脆弱性検出の実績 — OpenBSD 27 年・FFmpeg 16 年・Linux カーネル権限昇格
- ベンチマーク比較 — CyberGym 83.1% / SWE-bench Verified 93.9% で Opus 4.6 を圧倒
- 想定ユースケース — サイバーセキュリティに限定、一般業務用途への言及なし
- 既存 Claude プロダクトとの位置づけ — Mythos Preview は限定公開、一般化予定なし
- 投資・支援内容 — クレジット最大 1 億ドル、OSS 寄付 400 万ドル
- 日本人ユーザーの視点 — アクセス対象と日本語対応の現状
- 現時点でアクセスできる対象 — 創設パートナー / 認定組織 / OSS メンテナー / Cyber Verification
- 日本語対応・日本市場向け情報 — 公式ページに記載なし、続報待ち
- 2026年6月時点の補足
- 出典(一次情報)
Project Glasswing とは — 2026-04-07 発表、AI で重要インフラを守る業界横断構想
Project Glasswing は、Anthropic が 2026年4月7日に発表した業界横断サイバーセキュリティ構想です 出典。
Anthropic は、AI モデルの脆弱性発見能力が悪意ある主体に拡散する前に、防御側に優位性を確立することが急務であると判断しました。 業界の主要プレーヤーと連携し、世界の重要ソフトウェアインフラを AI で保護する枠組みを構築しています 出典。
採択された 12 社の全貌 — AWS / Apple / Google / Microsoft / NVIDIA / Anthropic ほか
Amazon Web Services、Anthropic、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorganChase、Linux Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networks 出典。
これら 12 の創設パートナーに加え、重要なソフトウェアインフラを構築・維持する 40 以上の組織が参加資格を得ています 出典。
Claude Mythos Preview — Glasswing 専用の限定フロンティアモデル
Claude Mythos Preview は、Project Glasswing のために開発された限定公開のフロンティアモデルです。 Anthropic は「最高レベルの人間セキュリティ専門家を除く全員を上回るコーディング能力」を備えると説明しています 出典。
脆弱性検出の実績 — OpenBSD 27 年・FFmpeg 16 年・Linux カーネル権限昇格
- OpenBSD: 27 年間検出されなかった脆弱性を発見
- FFmpeg: 16 年間未検出のバグを特定(自動化ツールが 500 万回テスト済みの箇所)
- Linux カーネル: 複数の脆弱性を連鎖させた権限昇格攻撃を自動生成
出典: Anthropic: Project Glasswing
ベンチマーク比較 — CyberGym 83.1% / SWE-bench Verified 93.9% で Opus 4.6 を圧倒
Mythos Preview と Opus 4.6 の主要ベンチマークを比較すると、全項目で Mythos が上回ります。
| ベンチマーク | Mythos Preview | Opus 4.6 |
|---|---|---|
| CyberGym(脆弱性再現) | 83.1% | 66.6% |
| SWE-bench Verified | 93.9% | 80.8% |
| SWE-bench Pro | 77.8% | 53.4% |
| Terminal-Bench 2.0 | 82.0% | 65.4% |
| SWE-bench Multilingual | 87.3% | 77.8% |
| GPQA Diamond(tools 使用時) | 64.7% | 53.1% |
各指標の補足: SWE-bench Verified=実在の GitHub issue をどれだけ自力で修正できるか / SWE-bench Pro=より高難易度な実課題での修正率 / Terminal-Bench 2.0=ターミナル操作タスクの遂行率 / SWE-bench Multilingual=Python 以外の多言語リポジトリでの修正率 / GPQA Diamond=科学・技術分野の専門的な設問への正答率(tools 使用時)
出典: Anthropic: Project Glasswing
想定ユースケース — サイバーセキュリティに限定、一般業務用途への言及なし
公式ページに記載されている想定ユースケースはサイバーセキュリティ領域に限定されており、 一般的な業務用途への言及はありません出典。 公式に記載されたユースケースは以下のとおりです。
- 重要インフラソフトウェアの脆弱性スキャンと修正
- オープンソースプロジェクトのセキュリティ監査
- 防御的な脅威調査
既存 Claude プロダクトとの位置づけ — Mythos Preview は限定公開、一般化予定なし
Claude Mythos Preview は、Claude.ai や Claude API を通じて提供されている一般公開モデル群とは明確に区別されます。
| プロダクト | 対象 | 公開範囲 |
|---|---|---|
| Claude.ai | 一般ユーザー | 一般公開 |
| Claude API(Opus 4.7 等) | 開発者 | 一般公開 |
| Claude Code | ソフトウェア開発者 | 一般公開 |
| Claude Mythos Preview | Glasswing 参加・認定組織 | 限定公開 |
Anthropic は「Mythos Preview を一般公開する予定はない」と明言しており、 将来的には Mythos クラスの機能を次期 Opus モデルに段階的に統合することを示唆しています 出典。
投資・支援内容 — クレジット最大 1 億ドル、OSS 寄付 400 万ドル
参加組織には最大 1 億ドルのクレジットが割り当てられ、OSS 団体への寄付は合計 400 万ドルに上ります。
| 支援内容 | 金額 |
|---|---|
| Mythos Preview 使用クレジット(参加組織向け) | 最大 1 億ドル(USD) |
| OSS セキュリティ団体への寄付(合計) | 400 万ドル(USD) |
| ├ Alpha-Omega(OpenSSF) | 250 万ドル(USD) |
| └ Apache Software Foundation | 150 万ドル(USD) |
出典: Anthropic: Project Glasswing
日本人ユーザーの視点 — アクセス対象と日本語対応の現状
現時点でアクセスできる対象 — 創設パートナー / 認定組織 / OSS メンテナー / Cyber Verification
Claude Mythos Preview へのアクセスは以下に限定されています 出典。
- Project Glasswing 創設パートナー(AWS・Google・Microsoft などのクラウド経由も含む)
- 認定を受けた 40 以上の重要インフラ組織
- OSS メンテナー(Claude for Open Source プログラム経由で申請可能)
- Cyber Verification Program への申請者(準備中)
日本語対応・日本市場向け情報 — 公式ページに記載なし、続報待ち
公式の Glasswing ページには、日本語対応・日本市場向けローカライズ・日本企業の参加に関する記載はありません 出典。 料金・日本語サポート・国内パートナー等の詳細についても、現時点では公表がありません。
詳細続報が出次第、追記します。
2026年6月時点の補足
本記事は 2026 年 4 月発表時点の情報を基に作成しました。発表以降の状況について補足します。
比較対象として挙げている Opus 4.6 の後継モデルとして、Opus 4.7 および Opus 4.8(最大 100 万トークンのコンテキスト対応)が一般公開されています。当サイトの解説記事 Claude Opus 4.8 |1M コンテキストと次世代推論能力 で詳細を確認できます。
Anthropic は Mythos クラスの機能を次期 Opus に段階的に統合する方針を示していましたが、統合の完了は 2026 年 6 月時点で公式に確認されていません。断定的な判断は避け、Anthropic の公式発表をご確認ください。
Claude Mythos Preview のアクセス条件(創設パートナー・認定組織・OSS メンテナー限定)は発表当初から変更がありません。
出典(一次情報)
本記事の作成に直接参照した一次情報源は以下の通りです。最新の正確な情報は各リンク先で必ずご確認ください。
- Anthropic: Project Glasswing — 公式ページ(2026-04-07 発表、2026-04-23 参照)
- Anthropic: News — ニュース一覧(2026-04-23 参照)