Claude と ServiceNow を MCP で連携し ITSM を自動化する手順を解説

Claude と ServiceNow 連携|MCP 接続手順と ITSM 自動化

Claude から ServiceNow のインシデントや変更要求を直接操作したい情シス・SRE・開発者向けに、MCP(Model Context Protocol)を使った連携の全体像と接続手順を整理しました。2026 年 1 月の Anthropic との提携で Claude は ServiceNow の標準モデルに採用され、Zurich リリースではネイティブ MCP 対応も入りました。チャットから「優先度 P1 のインシデント一覧を出して」と頼むだけで ITSM 運用を回せる時代の入口を、出典付きで解説します。

結論powered by Claude

ServiceNow と Anthropic は 2026 年 1 月 28 日に提携を発表し、Claude は ServiceNow Build Agent の標準モデルになりました。ServiceNow 社内では 29,000 名超に Claude を展開し、営業準備工数を最大 95% 削減した実績も公表されています。

接続経路は大きく 3 つ。Zurich リリースのネイティブ MCP(ServiceNow が外部ツールを呼ぶ「消費側」と、外部 AI へ自社機能を開く「提供側」の両方になる)、オープンソースの mcp-server-servicenow(claude mcp add servicenow -- uvx mcp-server-servicenow で 1 行追加)、そして Strac / Merge / Composio などの第三者マネージド MCP です。

連携すると Claude はインシデント・変更要求・問題レコードの読み書き、ワークノート追記、ナレッジ検索、CMDB の構成アイテム取得、承認の前進まで自然言語で実行できます。一方で ServiceNow のチケットには PII・認証情報が、CMDB にはインフラ全体図が含まれるため、DLP による機密マスキング・高リスク操作の承認ゲート・監査ログが必須です。ServiceNow 側はすべての操作を AI Control Tower(AICT) 経由で本人確認・権限スコープ・監査記録の対象にします。

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なぜ今 Claude × ServiceNow なのか — Anthropic 提携の背景

ServiceNow と Anthropic は 2026 年 1 月 28 日、Claude モデルを ServiceNow の中核ワークフローへ統合する提携を発表しました。アプリ開発やヘルスケア・ライフサイエンスなど基幹業務へ Claude を組み込むのが狙いです出典

象徴的なのが ServiceNow Build Agent の標準モデルに Claude が採用された点です。これにより、専門外の担当者でも自然言語からワークフローを構築・デプロイできるようになりました。ServiceNow 自身も 29,000 名を超える従業員に Claude を展開し、営業準備工数を最大 95% 削減、エンジニアリング業務には Claude Code を導入したと公表しています出典

つまり「Claude を ServiceNow に繋ぐ」のは一部の実験ではなく、ベンダー公認の主要ユースケースになったということです。本記事では、その接続を自分の環境で実装する具体的な方法を見ていきます。

Claude から ServiceNow に接続する 3 つの経路

Claude と ServiceNow を繋ぐ方法は、2026 年 6 月時点で大きく 3 系統に整理できます。

  1. ServiceNow ネイティブ MCP(Zurich リリース):ServiceNow が公式に MCP のサーバー/クライアント両機能を持ち、AI Control Tower で統制する経路。エンタープライズのガバナンス要件が厳しい組織向け。
  2. オープンソース mcp-server-servicenow:コミュニティ製の軽量 MCP サーバー。uvx で起動でき、個人検証や PoC に最短で着手できる。
  3. 第三者マネージド MCP(Strac / Merge / Composio / CData など):OAuth と DLP・監査をパッケージ化したホスト型。コードを書かず数分〜10 分で接続でき、ガバナンス層が付く出典

どれを選んでも Claude 側から見れば同じ「MCP サーバー」です。まずは PoC を②で素早く動かし、本番は①または③でガバナンスを固める、という段階移行が現実的です。

ServiceNow ネイティブ MCP(Zurich)とは

Zurich リリースで ServiceNow は MCP をネイティブサポートし、「消費側(外部ツールを呼ぶ)」と「提供側(外部 AI に自社機能を開く)」の両方になりました。管理 UI である「MCP Server Console」から、どのテーブル・スキルを外部の AI に公開するかを制御できます出典

重要なのは、外部 AI からのすべての操作が AI Control Tower(AICT) を通る点です。フロー・プレイブック・承認・カタログといった「システム・オブ・アクション」全体が、本人確認済み・権限スコープ付き・完全監査の状態で実行されます。野放しに DB を叩かせるのではなく、ServiceNow のロールモデルと統制の上で AI に仕事をさせる設計です。

Claude Code への接続手順

ここでは最短で動かせるオープンソースの mcp-server-servicenow を例に、Claude Code への登録手順を示します。

  1. uv(uvx を含む Python ツールチェーン)をローカルにインストールする。
  2. ServiceNow 側で API アクセスを有効化し、接続用ユーザーのインスタンス URL・ユーザー名・パスワード(またはトークン)を用意する。
  3. Claude Code で claude mcp add servicenow -- uvx mcp-server-servicenow を実行し、MCP サーバーを登録する出典
  4. 認証情報(インスタンス URL・資格情報)を環境変数として設定し、サーバーが対象インスタンスを参照できるようにする。
  5. Claude Code で /mcp を実行し、servicenowconnected と表示されることを確認する。

マネージド MCP を使う場合は、上記③が claude mcp add --transport http <name> <エンドポイント URL> 形式になり、初回はマジックリンクや OAuth で ServiceNow にログインして認可を完了します出典。Claude Desktop でも mcpServers ブロックに URL とトークンを記述する設定で同様に接続できます。

連携で Claude ができる ITSM 操作

接続が完了すると、Claude は自然言語のプロンプトから以下のような ServiceNow 操作を実行できます出典

  • インシデント管理:優先度・状態・担当グループで絞り込んだインシデントの照会と更新、ワークノートの追記。
  • 変更要求(Change)の参照:スケジュールや承認者の情報を含む変更要求の読み取り。
  • 問題(Problem)レコード:問題と紐づくインシデントの参照。
  • ナレッジ検索:インシデントの症状に合うナレッジ記事の検索・突き合わせ。
  • CMDB 照会:構成アイテム(CI)とその関係性・インフラトポロジーの取得。
  • 書き込みアクション:レコードの作成・更新、担当割り当ての変更、承認の前進(認可済みユーザーの代理として)。

たとえば「未割り当ての P1 インシデントを担当チームに割り振り、類似ナレッジをワークノートに貼って」といった一連の作業を、画面を行き来せずチャットだけで完結できます。一次対応の定型作業を圧縮できるのが最大の価値です。

導入前に押さえるセキュリティ注意点

便利さの裏で、ServiceNow データの機密性には最大限の注意が必要です。チケット本文には従業員・顧客の PII、貼り付けられた認証情報やシークレットが紛れ込みがちで、CMDB は一度のクエリでインフラ全体のトポロジーを露出させます出典。これらがそのまま AI のコンテキストに流れるのは大きなリスクです。

実務では次の 3 点を必ず設計に入れてください。

  1. DLP によるマスキング:機密データを AI のコンテキストに届く前に検知・墨消しするガバナンス層を挟む。
  2. 高リスク書き込みの承認ゲート:作成・更新・承認前進などの破壊的操作は承認フロー経由に限定する。
  3. 監査ログの保全:誰が・いつ・どのレコードに何をしたかを記録し、コンプライアンス証跡として残す。

ネイティブ MCP を選ぶ場合は、これらの多くを AI Control Tower(AICT) が標準で担保します。PoC はオープンソースで素早く、本番はガバナンスが効く経路へ、という移行方針が安全です。

まとめ — まず PoC、本番はガバナンス重視で

Claude と ServiceNow の連携は、Anthropic との提携と Zurich のネイティブ MCP により「ベンダー公認の主要ユースケース」になりました。最短経路は claude mcp add servicenow -- uvx mcp-server-servicenow でのオープンソース接続で、これだけでインシデント照会から CMDB 取得までチャットで試せます。

一方、本番投入では PII・CMDB・認証情報の露出リスクが現実的な課題になります。DLP・承認ゲート・監査ログ、あるいは AI Control Tower を備えたネイティブ/マネージド MCP を選び、統制された範囲で AI に ITSM を任せる設計に進めてください。まずは検証環境で 1 つのインシデント照会を Claude に実行させるところから始めるのがおすすめです。

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