
Vertex AI で Claude 3.7 Sonnet は終了|移行先と現行モデル
「vertex claude 3.7」と検索する人の多くは、Google Cloud の Vertex AI から Claude 3.7 Sonnet をまだ使えるのか、使えないなら何に乗り換えるべきかを知りたいはずです。本記事では Anthropic と Google Cloud の公式情報をもとに、Vertex AI 上の Claude 3.7 Sonnet の現状と移行先を実務目線で整理します。
claude-3-7-sonnet@20250219)は現在「Retired(終了)」表記で、新規の呼び出しはできません。2025 年に市場初のハイブリッド推論モデルとして Vertex AI で一般提供されましたが、現在は後継の Claude Sonnet 4.6 へ移行する局面です。本記事では、Vertex 上での提供経緯、Anthropic 直 API と終了日が異なる理由、移行先、そして現行 Claude を Vertex で呼び出す手順までを一次情報で整理します。
目次 (7)
Vertex AI で Claude 3.7 Sonnet は今も使えるのか — 結論
結論から言うと、2026 年 6 月時点で Claude 3.7 Sonnet は Vertex AI のモデル一覧で「Retired(終了)」と明記されており、新規の呼び出しはできません。Vertex AI のモデル ID は claude-3-7-sonnet@20250219 ですが、終了済みのモデルへのリクエストは失敗します。
ここで押さえるべき最大のポイントは、Vertex AI が Anthropic 自身の運営するプラットフォームではなく、Google Cloud が運営するパートナープラットフォームであるという点です。後述のとおり終了スケジュールは Anthropic 直 API とは別管理であり、「直 API ではいつ終わった」という情報をそのまま Vertex に当てはめると誤ります。
新規にシステムを構築するなら、3.7 Sonnet を選ぶ理由はありません。直接の後継である Claude Sonnet 4.6(claude-sonnet-4-6) を最初から採用するのが正解です。
出典: Claude on Vertex AI — Claude API Docs
Claude 3.7 Sonnet とは — Vertex で注目された理由
Claude 3.7 Sonnet は、Anthropic が 2025 年 2 月に発表した「市場初のハイブリッド推論モデル」です。質問に対して即座に答えるか、ステップごとの思考過程(extended thinking)をユーザーに見せながらじっくり考えるかを、用途に応じて切り替えられる点が画期的でした。コーディング性能も大きく改善され、実務での利用を強く意識したモデルとして支持を集めました。
Google Cloud は 2025 年 2 月 25 日にこのモデルを発表し、2025 年 3 月 18 日に Vertex AI で一般提供(GA) を開始しました。当時 Vertex AI 側で強化された主な機能は次のとおりです。
- トークンカウント(GA): リクエストを送る前にメッセージのトークン数を確認し、プロンプトやコストの見積もりに役立てられる。
- 引用機能(GA): 回答が根拠とした文章・段落を具体的に参照として返し、出力の検証性を高める。
- バッチ予測(プレビュー): 大量リクエストを非同期処理でき、標準の従量課金より 50% 安価。
- プロンプトキャッシュ(プレビュー): 頻出する入力をキャッシュしてコストを抑える。
利用は Vertex AI Model Garden の Claude 3.7 Sonnet モデルカードから有効化でき、Google Cloud Marketplace 経由で調達して Google Cloud の利用コミットメントに充当することも可能でした。
出典: Anthropic's Claude 3.7 Sonnet is available on Vertex AI — Google Cloud Blog
Vertex AI のモデル一覧で見る 3.7 の現状
現在の Vertex AI 上で利用できる Claude モデルの API model ID 一覧を見ると、3.7 世代の扱いがはっきりわかります。注目すべきは、Vertex AI のモデル ID が直 API のハイフン区切り(claude-3-7-sonnet-20250219)ではなく、@ 区切り(claude-3-7-sonnet@20250219)である点です。
一覧上、Claude 3.7 Sonnet には明確に「Retired」と注記されています。これは「もう利用できない」状態を指し、Deprecated(非推奨だがまだ動く)とは区別されます。たとえば同じ一覧で Claude Sonnet 4(claude-sonnet-4@20250514)や Claude Haiku 3.5(claude-3-5-haiku@20241022)は「Deprecated」表記で残っていますが、3.7 Sonnet はそれより進んで終了済みです。
自分の環境で最新状況を確認したい場合は、Vertex AI の Model Garden で「Claude」を検索するか、Google Cloud の Claude モデル向けドキュメントで各モデルの終了日を確認してください。
出典: Anthropic's Claude models on Vertex AI — Google Cloud
なぜ Vertex AI と Anthropic 直 API で終了日が違うのか
Anthropic の公式 deprecation ドキュメントには、明確な注記があります。曰く、「このページの日付は Anthropic が運営するプラットフォーム(Claude API、Claude Platform on AWS、Microsoft Foundry)に適用される。Amazon Bedrock と Vertex AI などのパートナー運営プラットフォームは独自の終了スケジュールを設定するため、モデルのライフサイクル状態や日付が異なる場合がある」というものです。
Anthropic 直 API における Claude 3.7 Sonnet(claude-3-7-sonnet-20250219)の終了日は次のとおりです。
- 2025 年 10 月 28 日に deprecation(非推奨化)が通知された。
- 2026 年 2 月 19 日に retired(終了)し、以降はリクエストが失敗する。
- 推奨される置き換え先は Claude Sonnet 4.6(
claude-sonnet-4-6)。
これらはあくまで直 API 側の日付です。Vertex AI 上での正確な終了日は Google Cloud 側が管理しているため、「直 API で 2 月に終わったから Vertex でも同日のはず」と決めつけず、必ず自分が使っているプラットフォームのモデル一覧で確認することが重要です。
出典: Model deprecations — Claude API Docs
移行先 — Claude Sonnet 4.6 への乗り換え
Claude 3.7 Sonnet から移行するなら、Vertex AI 上の現行モデルへ切り替えます。Anthropic が公式に推奨する直接の置き換え先は Claude Sonnet 4.6(Vertex モデル ID: claude-sonnet-4-6) です。中位モデルの後継として推論・コーディング性能が向上しており、3.7 で人気だった extended thinking(拡張思考)も引き続き利用できます。
移行のメリットは性能だけではありません。Vertex AI 上では、Claude Opus 4.8 / 4.7 / 4.6 と Sonnet 4.6 が 100 万トークンのコンテキストウィンドウに対応しています(Sonnet 4.5 など他モデルは 20 万トークン)。3.7 世代の 20 万トークンから大幅に拡張され、大規模なコードベースや長文ドキュメントを一度に扱えるようになります。
多くのケースで移行作業はモデル ID の差し替えのみで完了しますが、温度(temperature)など一部パラメータの扱いがモデルによって変わる点には注意が必要です。本番反映の前にテストしてから切り替えてください。Claude 3.7 Sonnet そのものの位置づけや OpenAI 系との違いを整理したい場合は、Claude 3.7 Sonnet は Anthropic 製|OpenAI o1 との違い もあわせて参照してください。
出典: Model deprecations — Claude API Docs
Vertex AI で現行 Claude を呼び出す手順
3.7 Sonnet から移行した現行モデルを Vertex AI で呼び出す最短手順は次のとおりです。
- GCP プロジェクトで Vertex AI API を有効化し、Model Garden で対象の Claude モデルを Enable する。
- ローカルで
gcloud auth application-default loginを実行し、Google Cloud の認証情報を用意する。 - SDK を導入する(Python の例:
pip install -U google-cloud-aiplatform "anthropic[vertex]"、TypeScript はnpm install @anthropic-ai/vertex-sdk)。 AnthropicVertexクライアントをproject_idとregion(推奨はglobal)で初期化し、現行モデル ID を指定してメッセージを送る。- REST で直接叩く場合は、
modelをリクエストボディではなくエンドポイント URL に含め、ボディにanthropic_version: "vertex-2023-10-16"を必ず指定する。
Python の最小サンプルは次のとおりです。
from anthropic import AnthropicVertex
client = AnthropicVertex(project_id="MY_PROJECT_ID", region="global")
message = client.messages.create(
model="claude-sonnet-4-6", # 旧: claude-3-7-sonnet@20250219
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "Hey Claude!"}],
)
print(message)
エンドポイントは https://{LOCATION}-aiplatform.googleapis.com/v1/projects/{PROJECT_ID}/locations/{LOCATION}/publishers/anthropic/models/{MODEL_ID}:streamRawPredict の形式です。Vertex AI には global / multi-region / regional の 3 種類のエンドポイントがあり、regional と multi-region は global より 10% 割高になります。データレジデンシー要件がなければ global が推奨です。有効化や認証のより詳しい手順は Google で Claude API を使う方法|Vertex AI 手順と料金 も参照してください。
出典: Claude on Vertex AI — Claude API Docs
よくある質問(FAQ)
Q. Vertex AI で claude-3-7-sonnet@20250219 を指定したらどうなりますか?
A. Claude 3.7 Sonnet は Vertex AI で「Retired(終了)」となっているため、新規の呼び出しは失敗します。claude-sonnet-4-6 などの現行モデルに差し替えてください。
Q. 3.7 の extended thinking(拡張思考)を使っていました。後継でも使えますか? A. 使えます。後継の Claude Sonnet 4.6 でも extended thinking はサポートされており、3.7 時代より性能が向上しています。
Q. 移行でコードはどれくらい変わりますか?
A. 多くの場合、モデル ID の差し替えだけで動きます。Vertex AI では ID が @ 区切りでない最新世代(例: claude-sonnet-4-6)になる点と、anthropic_version: vertex-2023-10-16 の指定は変わらない点を押さえておけば十分です。temperature など一部パラメータの仕様差はテストで確認してください。
Q. Vertex の Claude 3.5 はどうなっていますか? A. Claude 3.5 Sonnet も一覧から外れ、Haiku 3.5 が Deprecated で延命している非対称な状態です。詳細は Vertex AI で Claude 3.5 は使えるか|終了状況と移行先 を参照してください。
新規構築でも既存システムの延命でも、Claude 3.7 Sonnet を選ぶ理由は 2026 年時点でほぼ消えています。Vertex AI 上の現行モデルである Claude Sonnet 4.6 へ早めに移行するのが、性能・コンテキスト長・サポートの三方向で最も合理的です。
出典: