
Google で Claude API を使う方法|Vertex AI 手順と料金
「Google Cloud で Claude API を呼びたい」「Anthropic に直接契約しないと Claude は使えないの?」と検索した開発者が知りたいのは、Google Cloud Vertex AI Model Garden 経由で Claude API を有効化する具体的な手順と、Anthropic 直 API との料金・認証・モデル提供の違いの二点に尽きます。本記事は Google Cloud と Anthropic の公式ドキュメントを基に、プロジェクト設定からサンプルコード、料金体系、AWS Bedrock との比較までを 1 本で整理します。
Google で Claude API を使う主経路は Google Cloud Vertex AI Model Garden 経由です。Anthropic は 2023 年から Google Cloud の戦略パートナーで、Vertex AI 上に Claude モデルが「パートナーモデル」として配備されています。開発者は GCP プロジェクトで Vertex AI API と該当モデルを有効化し、google-cloud-aiplatform SDK と Google アカウントの認証情報で claude-opus-4-7@20251218 などのエンドポイントを呼び出すだけで、Anthropic に別途契約せずに Claude を本番ワークロードに組み込めます。
Anthropic 直 API との最大の違いは、課金・SSO・データレジデンシーが Google Cloud 側で一元管理できる点です。Vertex AI 経由は GCP の請求アカウントに統合され、IAM ロールでアクセス制御、VPC Service Controls で境界保護、Cloud Logging で監査ログが残ります。一方、最新モデルの提供は Anthropic 直 API のほうが先行するケースが多く、リージョンも us-east5 europe-west1 asia-southeast1 等に限定されるため、東京リージョン未提供のモデルが存在する点には注意が必要です。
料金は Anthropic 直 API と同等の入出力トークン単価が Google Cloud 側で再請求される構造で、Opus 4.7 が入力 $15 / 出力 $75、Sonnet 4.6 が入力 $3 / 出力 $15、Haiku 4.5 が入力 $1 / 出力 $5(1M トークンあたり、2026 年 5 月時点)です。プロンプトキャッシュも Vertex AI 上で利用でき、Batch API による 50% 割引も同様に提供されます。本記事は有効化手順 5 ステップ、Python サンプル、AWS Bedrock との比較表を後半に掲載します。
目次 (14)
- Google で Claude API を使う 2 つの経路
- Vertex AI で Claude API を有効化する 5 ステップ
- Python サンプル|Anthropic SDK で Vertex AI を呼ぶ
- 料金体系|Anthropic 直 API との違い
- 利用可能モデルとリージョン提供状況
- AWS Bedrock との比較|マルチクラウドの選び方
- よくある質問(FAQ)
- Vertex AI 経由は Anthropic API キーが必要ですか?
- Anthropic Console で発行した API キーは Vertex AI でも使えますか?
- 日本企業がデータレジデンシー要件で使う場合の推奨は?
- Anthropic 直 API から Vertex AI に移行するときの注意点は?
- まとめ — Google で Claude API を使うなら Vertex AI Model Garden が本命
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- 出典
Google で Claude API を使う 2 つの経路
Google アカウントを起点に Claude API を呼び出す経路は、実質的に 2 つに整理されます。
第一の経路は Google Cloud Vertex AI Model Garden 経由 で、本記事のメインテーマです。GCP プロジェクトで Vertex AI API を有効化し、Claude モデルカードから個別にモデルを有効化したうえで、google-cloud-aiplatform SDK もしくは REST API を Google アカウントの認証情報で呼びます。Anthropic との直接契約は不要で、課金は GCP の請求アカウントに統合されます。公式ドキュメントは Google Cloud — Claude models from Anthropic と Anthropic — Claude on Vertex AI です。
第二の経路は Anthropic Console に Google アカウントで OAuth ログインしてから API キーを発行する ものです。これは Anthropic 直 API の利用で、Google は OAuth のアイデンティティプロバイダとしてのみ機能します。課金は Anthropic 側のプリペイドクレジットで、Workspace SSO や IAM 連携はありません。個人開発の検証や、Vertex AI が未提供の最新モデルを早期に試すケースで採用されます。
本記事の主軸は第一の経路です。第二経路の手順は Claude API 入門|Python 10 行で動かす最短手順と料金 を参照してください。
Vertex AI で Claude API を有効化する 5 ステップ
Google Cloud で Claude API を呼べる状態にするまでの手順を、GCP プロジェクトを 1 つ用意した状態から整理します。
- GCP プロジェクトで請求アカウントを有効化 する。Vertex AI はトークン単価の従量課金のため、無料枠だけでは本番利用できません。
- Vertex AI API(
aiplatform.googleapis.com)を有効化 する。Cloud Console の「API とサービス」から検索して有効化、もしくはgcloud services enable aiplatform.googleapis.comで CLI 操作。 - Model Garden で Claude モデルを個別有効化 する。Console の「Vertex AI → Model Garden」から「Claude Opus 4.7」「Claude Sonnet 4.6」「Claude Haiku 4.5」などのモデルカードを開き、「Enable」をクリック。利用規約に同意するとそのプロジェクト内でモデル ID が利用可能になります。
- IAM で Vertex AI User ロール(
roles/aiplatform.user)を付与 する。サービスアカウントもしくは個人アカウントに割り当て、gcloud auth application-default loginでアプリケーションデフォルト認証情報を取得します。 - 対象リージョンを決定 する。Claude モデルは
us-east5を中心にus-central1europe-west1europe-west4asia-southeast1などで提供されますが、モデルごとに提供リージョンが異なるため、Model Garden のモデルカードで対象リージョンを確認してから SDK のリージョン引数に渡します。
このうち 3 と 5 がハマりどころで、「リージョン未提供のモデル ID を呼ぶと 404 もしくは Permission Denied」 になります。最新の提供状況は Vertex AI モデル提供リージョン一覧 を確認するのが確実です。
Python サンプル|Anthropic SDK で Vertex AI を呼ぶ
Anthropic 公式 SDK は Vertex AI バックエンドに対応しており、AnthropicVertex クライアントを使うと Anthropic 直 API とほぼ同じインターフェースで呼べます。下記は最小コード例です。
# pip install anthropic[vertex]
from anthropic import AnthropicVertex
client = AnthropicVertex(
project_id="your-gcp-project-id",
region="us-east5",
)
message = client.messages.create(
model="claude-opus-4-7@20251218",
max_tokens=1024,
messages=[
{"role": "user", "content": "Hello Claude on Vertex AI"}
],
)
print(message.content[0].text)
認証情報は環境変数 GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS に指定したサービスアカウントキー、もしくは gcloud auth application-default login で取得した認証ファイルが自動で読まれます。Anthropic API キーは不要です。
TypeScript は @anthropic-ai/vertex-sdk パッケージが同等の API を提供し、Java / Go は REST API を直接叩く構成が一般的です。詳細は Anthropic SDK — Vertex AI を参照してください。
料金体系|Anthropic 直 API との違い
Vertex AI 経由の Claude API は、入出力トークン単価が Anthropic 直 API と同水準 で、GCP の請求アカウントから引き落とされます。2026 年 5 月時点の主要モデル単価(1M トークンあたり)を整理します。
| モデル | 入力 | 出力 | プロンプトキャッシュ書込 | キャッシュ読込 |
|---|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.7 | $15 | $75 | $18.75 | $1.50 |
| Claude Sonnet 4.6 | $3 | $15 | $3.75 | $0.30 |
| Claude Haiku 4.5 | $1 | $5 | $1.25 | $0.10 |
プロンプトキャッシュは Vertex AI 上でも利用可能 で、長文プロンプトを再利用するワークロードで入力コストを最大 90% 削減できます。Batch API による 50% 割引も同様に提供されますが、Vertex AI では「バッチ予測ジョブ」として扱われ、ジョブ管理のインターフェースは Vertex AI 側の仕様に従います。
Anthropic 直 API との実質的な違いは、Committed Use Discount(CUD)とコミットメント割引 にあります。Vertex AI 経由なら GCP の長期コミットメント割引や請求アカウント単位のコスト集計が効きますが、Anthropic 直 API の Enterprise プランで提示される個別のボリュームディスカウントとは構造が異なります。月額数千ドル規模で利用する場合は両者を比較見積もりするのが推奨です。最新の単価は Vertex AI 料金 — Anthropic models と Anthropic 料金 で必ず照合してください。
利用可能モデルとリージョン提供状況
Vertex AI 上で利用できる Claude モデルは、Anthropic がリリースした順に Google Cloud が認定してから配備するため、Anthropic 直 API より数週間〜数ヶ月遅れる ケースがあります。2026 年 5 月時点では Opus 4.7・Sonnet 4.6・Haiku 4.5 が主要リージョンで提供され、200K トークンのコンテキストウィンドウ、画像入力、ツール使用、Extended Thinking などの機能が直 API と同等に利用可能です。
リージョンは us-east5 が一次提供地 で、Opus 4.7 などの最新モデルは多くの場合ここから配備されます。asia-southeast1(シンガポール)は東京リージョンよりも近く、日本からの利用ではレイテンシ・データレジデンシーの観点で候補に挙がります。東京リージョン(asia-northeast1)では Claude が直接提供されていない時期がある ため、提供開始状況は Model Garden のリージョン一覧で都度確認するのが確実です。
VPC Service Controls 配下に Vertex AI を組み込めば、GCP の境界保護内で Claude API を呼べるため、金融・医療など機密データを扱う業界で採用される構成です。Anthropic 直 API ではこのレベルのネットワーク境界は組めません。
AWS Bedrock との比較|マルチクラウドの選び方
Claude API はマネージドサービス経由で AWS Bedrock 上でも提供されており、Vertex AI とよく比較されます。実装観点での違いを表で整理します。
| 項目 | Google Cloud Vertex AI | AWS Bedrock | Anthropic 直 API |
|---|---|---|---|
| 認証 | Google アカウント / サービスアカウント | IAM ロール / アクセスキー | Anthropic API キー |
| 課金 | GCP 請求アカウント | AWS アカウント | Anthropic クレジット |
| 最新モデル提供速度 | 中(数週間遅れ) | 中(数週間遅れ) | 早(リリース当日) |
| プロンプトキャッシュ | 対応 | 対応 | 対応 |
| Batch API 割引 50% | 対応 | 対応 | 対応 |
| データレジデンシー | リージョン選択 | リージョン選択 | US/EU 限定 |
| 主要日本リージョン | asia-southeast1 等 |
ap-northeast-1(東京) |
該当なし |
| SLA | Vertex AI SLA | Bedrock SLA | Anthropic SLA |
既存のクラウド契約に揃えるのが第一基準 です。GCP 主体の組織は Vertex AI、AWS 主体なら Bedrock、クラウド非依存の小規模開発は Anthropic 直 API が素直な選択になります。マルチクラウド対応の AI ライブラリ(LiteLLM、LangChain 等)を挟めば、後からバックエンドを切り替える設計も可能です。
よくある質問(FAQ)
Vertex AI 経由は Anthropic API キーが必要ですか?
不要です。Google Cloud のアプリケーションデフォルト認証情報(ADC)があれば呼べます。AnthropicVertex クライアントは内部で Google の OAuth2 トークンを取得して Vertex AI に投げる構造です。
Anthropic Console で発行した API キーは Vertex AI でも使えますか?
使えません。Anthropic 直 API のキーは api.anthropic.com 専用で、Vertex AI のエンドポイント(us-east5-aiplatform.googleapis.com 等)では認証が通りません。両経路は完全に分離されています。
日本企業がデータレジデンシー要件で使う場合の推奨は?
asia-southeast1(シンガポール)もしくは asia-northeast1(東京、提供開始時) が第一候補です。VPC Service Controls と組み合わせれば、Claude へのリクエストが GCP の境界外に出ない構成が組めます。具体的な構成は Vertex AI VPC Service Controls を参照してください。
Anthropic 直 API から Vertex AI に移行するときの注意点は?
モデル ID の命名が変わります。Anthropic 直 API は claude-opus-4-7 のような形式ですが、Vertex AI 上では claude-opus-4-7@20251218 のようにスナップショット日付が付くケースがあります。SDK の呼び出し部分は AnthropicVertex への置き換えで済みますが、モデル ID とリージョンの組み合わせを最新ドキュメントで確認する必要があります。
まとめ — Google で Claude API を使うなら Vertex AI Model Garden が本命
「Google で Claude API を使う」という検索の答えは、Google Cloud Vertex AI Model Garden 経由で Claude モデルを有効化し、Anthropic SDK の AnthropicVertex クライアントで呼び出す が本命の経路です。Anthropic との直接契約なしに、GCP の請求・IAM・VPC 境界の中で Claude を扱えるため、企業導入では第一候補になります。
開発の最初の 5 ステップは、(1) GCP プロジェクトで請求アカウント有効化、(2) Vertex AI API 有効化、(3) Model Garden で対象モデル有効化、(4) IAM で aiplatform.user ロール付与、(5) 提供リージョンの確認、です。料金は入力 $1〜$15 / 出力 $5〜$75(1M トークン)で Anthropic 直 API と同水準、プロンプトキャッシュと Batch API 割引も同様に効きます。
最新モデルを真っ先に試したい個人開発は Anthropic 直 API、AWS 中心の組織は Bedrock、GCP 中心の組織は Vertex AI と、既存クラウド契約に揃える のが運用上の最適解です。
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