
Anthropic 速報|Claude in Chrome GA と隠しコード削除
2026年7月2日、Anthropic まわりでは開発ツールの信頼性に関わる話題が続きました。Claude Code に仕込まれていた隠しコードの削除、Claude in Chrome の正式提供、API の課金ルール変更、旧モデルの廃止予定と、エンジニアが押さえておきたい動きが一日にまとまっています。この日の Anthropic 公式情報を、Clauder Navi 編集部がニュース番組 style でお届けします。
この日いちばんの注目は、Claude Code が特定条件下でシステムプロンプトを不可視マーカーで書き換えていた隠しコードを削除したことです。中国のタイムゾーンや中国 AI 企業のドメインを検出すると内部でプロンプトを改変する挙動が外部エンジニアに指摘され、Anthropic は不正再販・蒸留対策の試験導入だったと認めたうえで、最新版で該当コードを取り除きました。プロキシや CI 経由で Claude Code を使うチームは、過去バージョンで意図せぬ改変を受けていた可能性があるため把握が必要です。
機能面では、Claude in Chrome が正式に一般提供へ移行し、背景エージェントがコード作業の完了時にコミット・プッシュ・ドラフト PR 作成まで自動で進めるようになりました。ユーザーの入力待ちで止まらなくなったことで、開発フローの自動化が一段階進んでいます。新スキル /dataviz の追加や、Explore エージェントがメインセッションのモデルを継承する変更も含まれます。
API とモデルまわりでも実務に効く変更が入りました。Claude API では リクエストが refusal を返して何も生成しなかった場合、課金対象外になり、MCP トンネルのエンドポイントも移動しています。あわせて Claude Opus 4.1 が 2026 年 8 月 5 日に退役予定であることが明記され、移行先として Opus 4.8 が案内されました。旧モデルを本番運用しているチームは早めの移行計画が求められます。
目次 (7)
【1】Claude Code——隠しコードを削除、システムプロンプト改変の発覚
まずお伝えするのは、Claude Code に組み込まれていた隠蔽的なコードが削除された件です。The Register の報道によると、Claude Code は v2.1.91(2026 年 4 月 2 日)以降、中国のタイムゾーンや中国 AI 企業のドメインを検出した場合に、システムプロンプトを不可視の Unicode マーカーで改ざんする挙動を持っていたことが明らかになりました。
この挙動は外部エンジニアが Reddit で指摘したことで表面化し、Anthropic のエンジニアが事実を認めました。同社は「3 月に不正再販・蒸留対策として試験的に導入したもの」と説明しており、最新の v2.1.198 で該当コードを削除、今後は別の防御手段へ移行する方針だとしています。開発ツールが利用者に知らせず内部の挙動を変えていた点は、信頼性の観点で業界でも広く報じられました。
実務面での注意点として、プロキシや CI/CD 経由で Claude Code を使っているチームは、過去バージョンでシステムプロンプトが意図せず改変されていた可能性があります。v2.1.198 以降へアップデートすれば該当の挙動は取り除かれます。透明性やコンプライアンスを重視する現場では、まず事実関係の把握から着手したいところです。影響度: ★★★
出典: Anthropic is removing its covert code for catching Chinese competitors — The Register
【2】Claude Code v2.1.198——Claude in Chrome GA と背景エージェントの自動 PR
続いて、Claude Code の v2.1.198 が公開されたとお伝えします。目玉は Claude in Chrome が正式に一般提供(GA)へ移行したことです。ブラウザ拡張としての利用が正式対応となり、日常的にブラウザ上で Claude を使う開発者にとって導入のハードルが下がりました。
エンジニア読者にとって影響が大きいのが背景エージェントの強化です。背景エージェントはコード作業が完了した時点で、コミット・プッシュ・ドラフト PR の作成までを自動で実行するようになり、ユーザーの入力待ちで止まらなくなりました。あわせて agent_needs_input / agent_completed の通知フックが追加され、状態に応じたカスタム連携も組めます。さらに新スキル /dataviz でチャートやダッシュボードの設計支援が可能になり、Explore エージェントはメインセッションのモデル(最大 Opus)を継承するよう変更されました。
安定性の改善も多数含まれます。Claude Platform on AWS をゲートウェイの上流として追加したほか、ネットワーク途絶時の自動リトライ、macOS の背景エージェントで発生していたループ不具合の修正などが入っています。Claude Code を日常的に使うチームにとっては、開発フローの自動化が一段進む実利のあるアップデートです。影響度: ★★★
出典: claude-code v2.1.198 リリースノート — GitHub
【3】Anthropic API——MCP トンネル移動と refusal 応答の課金対象外化
API 利用者向けの変更もお伝えします。docs.anthropic.com のリリースノートによると、MCP トンネル(リサーチプレビュー)のエンドポイントが Admin API の /v1/organizations/tunnels から Claude API の /v1/tunnels へ移動しました。利用にはベータヘッダ anthropic-beta: mcp-tunnels-2026-06-22 の指定が必要になっています。MCP トンネルを使っているチームは、エンドポイントとヘッダの両方を見直す必要があります。
コスト面で見逃せないのが課金ルールの変更です。Claude API でリクエストが stop_reason: "refusal" を返し、Claude が何も生成しなかった場合、そのリクエストは課金対象外になりました。安全上の理由などで応答が拒否されたケースで無駄な課金が発生しなくなるため、コスト計算のモデルを見直す機会になります。あわせて、Claude Platform on AWS 上でマネージドエージェントの各機能が利用できるようになった旨も反映されています。
いずれも派手さはないものの、日々 API を叩いている開発現場には実務的に効く変更です。エンドポイントの移動は放置すると接続断につながるため、リリースノートで自組織の利用箇所を確認しておきましょう。影響度: ★★
出典: Claude API リリースノート — docs.anthropic.com
【4】Claude Opus 4.1 が 2026 年 8 月 5 日に退役予定
モデルの廃止スケジュールについてもお伝えします。docs.anthropic.com のモデル廃止情報に、claude-opus-4-1-20250805 が 2026 年 8 月 5 日に Claude API から退役予定であることが明記されました。移行先としては Claude Opus 4.8 が推奨されています。
あわせて、Claude Opus 4.7 の fast モードが 2026 年 7 月 24 日に廃止予定であることも案内されました。廃止後は fast モードを指定するとエラーが返る仕様となり、移行先は Opus 4.8 の fast モードです。Opus 4.1 を本番で利用しているチームは 8 月初旬までに、Opus 4.7 の fast モードを使っているチームは 7 月中に、それぞれ対応を済ませておく必要があります。
対応そのものは model パラメータや fast モードの指定を見直す作業が中心で、大きな書き換えは不要なケースが多いはずです。とはいえ退役当日に慌てないよう、既存コードの参照箇所を早めに棚卸ししておくことをおすすめします。影響度: ★★
出典: Model deprecations — docs.anthropic.com
【5】anthropic-sdk-python v0.115.1——型定義のクリーンアップ
最後に、Python 向け公式 SDK である anthropic-sdk-python の v0.115.1 が公開されたとお伝えします。2026 年 7 月 1 日 21:54 UTC(日本時間 7 月 2 日 06:54)のリリースで、内容は非機能的な型定義を削除するコードのクリーンアップのみ、新機能の追加はありません。
前バージョン v0.115.0 で行われた型整理の続きにあたる位置づけで、開発者が直接気づくような動作の変化はありません。既存コードの挙動はそのまま維持されます。静的型チェックを厳密に運用しているプロジェクトで、削除された型を参照している箇所がある場合にのみ、更新後の確認が必要になる程度です。影響度: ★
出典: anthropic-sdk-python v0.115.1 リリースノート — GitHub
次に押さえるべき動き
この日は、開発ツールの透明性という論点が前面に出た一日でした。Claude Code の隠しコード削除は、AI 開発ツールが利用者に知らせず内部挙動を変えるリスクを浮き彫りにしており、今後は同種の防御手段がどのような形で説明されるかが注目点になります。機能面では Claude in Chrome の GA と背景エージェントの自動 PR 作成で、コードを書いてから提出するまでの流れがさらに自動化に近づきました。API の課金ルール変更やモデル廃止スケジュールと合わせて、Clauder Navi 編集部では引き続き公式情報を追いかけてお伝えしていきます。