Claude Sonnet 3.5 とは|旧モデルの性能と Sonnet 4.6 との違い

Claude Sonnet 3.5 とは|旧モデルの性能と Sonnet 4.6 との違い

Claude Sonnet 3.5 は 2024 年に Anthropic がリリースした中位モデルですが、2025-10-28 にすでに retired(API 利用終了)となり、現在は新規呼び出しできません。本記事では Sonnet 3.5 の 2 つのバージョン(claude-3-5-sonnet-20240620 / claude-3-5-sonnet-20241022)の性能・特徴・価格を整理し、現行の Claude Sonnet 4.6 との違いと移行手順を公式情報をもとに解説します。

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Claude Sonnet 3.5 は 2024 年 6 月リリースの中位モデル で、初版 claude-3-5-sonnet-20240620 と 10 月の v2 claude-3-5-sonnet-20241022(new Sonnet 3.5)の 2 系統が存在します。v2 では computer use のパブリックベータ提供や HumanEval スコア改善が話題となり、当時のフラッグシップ Opus 3 を上回るベンチマークでも注目されました。

しかし Sonnet 3.5 は 2025-08-13 に deprecation 通知が出され、2025-10-28 に正式 retired となりました。Claude API ID claude-3-5-sonnet-20240620 / claude-3-5-sonnet-20241022 への呼び出しはすでに失敗し、Anthropic は移行先として claude-sonnet-4-6 を推奨しています。

現在は Sonnet 4.6($3/$15 per MTok、1M トークン文脈、Extended Thinking + Adaptive Thinking 対応)が後継モデルです。Sonnet 3.5 から 4.6 への移行はモデル ID の差し替えのみで済むケースが多い ですが、Adaptive Thinking や 1M トークン文脈などの新機能を活用するにはプロンプト調整も検討してください。

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Claude Sonnet 3.5 とは — リリース時期と位置づけ

Claude Sonnet 3.5 は、Anthropic が 2024 年 6 月 20 日に発表したクロード 3.5 世代の中位モデルです。API ID は claude-3-5-sonnet-20240620。当時のラインアップは「Opus 3(最上位)・Sonnet 3.5(中位)・Haiku 3(軽量)」という構成で、Sonnet 3.5 は速度と知性のバランスを取った主力モデルとして位置づけられていました。

特筆すべきは、当時のフラッグシップだった Opus 3 を多くのベンチマークで上回ったこと です。Anthropic 公式リリースでは GPQA(大学院レベル推論)、MMLU(知識)、HumanEval(コーディング)で改善が報告され、価格も Opus 3 の 1/5(入力 $3 / 出力 $15 per MTok)に抑えられていたため、コストパフォーマンスを重視する開発者から急速に支持を得ました。

2024 年 10 月 22 日には改良版である claude-3-5-sonnet-20241022(通称 new Sonnet 3.5 / Sonnet 3.5 v2)が登場し、computer use(画面操作)機能のパブリックベータも同時に提供開始されています。

出典: Anthropic Models overview / Model deprecations

Sonnet 3.5 の性能・スペック詳細

Sonnet 3.5(両バージョン共通)の主なスペックは以下の通りです。

項目 Claude Sonnet 3.5
Claude API ID(初版) claude-3-5-sonnet-20240620
Claude API ID(v2 / new) claude-3-5-sonnet-20241022
コンテキスト窓 200k トークン
最大出力 8,192 トークン(beta ヘッダー利用時)
入力価格 $3 / MTok
出力価格 $15 / MTok
Vision(画像入力) 対応
Extended thinking 非対応
Adaptive thinking 非対応
Tool use 対応

200k トークンの文脈窓は当時として標準的で、長文 PDF や複数ファイルのコード解析にも対応していました。一方、後年登場する Extended Thinking や Adaptive Thinking など「推論前の思考」機能は搭載されておらず、応答速度を重視した即応型モデルでした。

価格は Sonnet 4.6 と同水準($3/$15 per MTok)ですが、知性・コーディング性能・長文脈サポートは大きく劣ります。

「new Sonnet 3.5」(v2)の改善点 — computer use の登場

2024 年 10 月の v2(claude-3-5-sonnet-20241022)は、Anthropic 公式では「Claude 3.5 Sonnet (New)」と呼称され、以下の改善が発表されました。

  1. SWE-bench Verified(実 GitHub issue 解決)で 49.0% を記録し、当時最高スコアを更新
  2. TAU-bench(エージェント型ツール使用)で大幅改善
  3. computer use(スクリーンショットを見てマウス・キーボード操作)のパブリックベータ提供
  4. コーディング・指示追従・推論の全般的な品質向上

computer use 機能は、AI に PC の GUI を直接操作させる初の本格機能として注目を集め、Anthropic Cookbook には Docker コンテナ内でデスクトップを操作するデモが公開されていました。この方向性は後の Claude 4 系の agent capability や Claude Code の subagent 機能、Skills へと発展していきます。

ただし v2 も 2025-08-13 に deprecation 通知が出され、初版と同じ 2025-10-28 に retired されました。

Sonnet 3.5 は現在使えるか — retirement のタイムライン

結論から言うと、Claude Sonnet 3.5 は 2026 年 5 月時点ですでに利用できません。Anthropic 公式 model deprecations ページの履歴は以下の通りです。

Sonnet 3.5 の deprecation 履歴

  1. 2024 年 6 月 20 日: claude-3-5-sonnet-20240620 リリース
  2. 2024 年 10 月 22 日: claude-3-5-sonnet-20241022(new Sonnet 3.5)リリース
  3. 2025 年 8 月 13 日: Anthropic が両バージョンの deprecation を通知(60 日以上前の告知ルール)
  4. 2025 年 10 月 28 日: 両 API ID とも正式に retired(呼び出し失敗)

retired 後は Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry のいずれでも呼び出しが 404 や invalid model エラーで失敗します。Amazon Bedrock と Vertex AI は独自のスケジュールで運用されているため、こちらの利用可能期間は AWS / Google の公式ドキュメントを参照してください。

Anthropic の公式推奨移行先は claude-sonnet-4-6 です(2026 年 5 月時点)。

出典: Anthropic Model deprecations - 2025-08-13: Claude Sonnet 3.5 models

Sonnet 3.5 と Sonnet 4.6 の違い — 性能・機能比較

Claude Sonnet 3.5 と現行の Claude Sonnet 4.6 を主要項目で比較すると、以下のように 1.5 世代分の差があります。

項目 Sonnet 3.5 (retired) Sonnet 4.6 (active)
Claude API ID claude-3-5-sonnet-20241022 claude-sonnet-4-6
ステータス Retired(2025-10-28) Active
コンテキスト窓 200k トークン 1M トークン
最大出力 8,192 トークン 64k トークン
入力価格 $3 / MTok $3 / MTok
出力価格 $15 / MTok $15 / MTok
Extended Thinking 非対応 対応
Adaptive Thinking 非対応 対応
Priority Tier 非対応 対応
Knowledge cutoff 2024 年 4 月 2025 年 8 月(reliable)
Vision・Tool use 対応 対応

注目すべきは、価格は据え置きながら文脈窓が 5 倍、最大出力が約 8 倍、推論機能(Thinking 系)も大幅追加 されている点です。同じ $3/$15 per MTok を払うなら、性能差から Sonnet 4.6 を選ぶ理由が明確です。

知識カットオフも 2025 年 8 月まで延びており、Claude Code や MCP サーバなど直近のエコシステム情報も含まれるため、開発者用途では特に Sonnet 4.6 の優位性が際立ちます。

出典: Anthropic Models overview

Sonnet 3.5 から Sonnet 4.6 への移行手順

retired モデルを呼び出しているコードは順次エラーになるため、以下の手順で移行してください。

Step 1: 使用箇所の棚卸し

Claude Console の Usage ページから API キー別の使用ログを CSV エクスポートし、claude-3-5-sonnet-20240620 または claude-3-5-sonnet-20241022 が含まれていないかを確認します。コードベース側では grep -r "claude-3-5-sonnet" で参照箇所を洗い出します。

Step 2: モデル ID を差し替え

リクエストペイロードの "model" フィールドを "claude-sonnet-4-6" に書き換えます。Anthropic SDK(Python / TypeScript)では client.messages.create(model="claude-sonnet-4-6", ...) の形式です。多くのケースでは ID 差し替えだけで動作します。

Step 3: 新機能の活用検討

Sonnet 4.6 では Extended Thinking(thinking={"type": "enabled", "budget_tokens": ...})や Adaptive Thinking(2026 年新機能で thinking_effort パラメータでコントロール)を使えるようになります。複雑な推論タスクではこれらを有効化すると Sonnet 3.5 より大幅に品質が向上します。

Step 4: 1M トークン文脈の活用

Sonnet 3.5 では 200k で打ち切られていた長文タスクが Sonnet 4.6 では 1M トークンまで一度に処理できます。ドキュメント分割ロジックを撤去できるケースもあるため、コードベースを見直してください。

Step 5: ベンチマーク・回帰テスト

モデル切り替え後は、業務固有のプロンプトで A/B 比較を行い、出力品質・トークン消費・レイテンシを記録します。Anthropic 公式は「retire 日のかなり前に migration テストを行う」ことを推奨しており、これは今後新世代モデルへ移行する際にも同じ規律が必要です。

出典: Migration guide

旧 Sonnet 3.5 を使っていた既存アプリの典型的な落とし穴

retire 後の Sonnet 3.5 を呼ぶアプリでよく見られるトラブルは次の通りです。

  • モデル ID をハードコードしている: 環境変数化していないと、デプロイ全数を書き換える必要があります。今後は ANTHROPIC_MODEL=claude-sonnet-4-6 のような環境変数化を推奨します
  • max_tokens=8192 を即値で書いている: Sonnet 4.6 では 64k 出せるので、要約や長文生成では上限を上げると体験が改善します
  • Extended Thinking 未利用: 推論タスクで thinking パラメータを使わないと Sonnet 4.6 の真価が発揮されません
  • AWS Bedrock / Vertex AI 経由: Anthropic 本体と AWS / Google の retire 日が異なるため、利用クラウドごとに公式ドキュメントを必ず確認してください

特に SaaS 連携や顧客向け本番アプリでは、retired モデル呼び出しが顧客側エラーにつながるため、早めの切り替えが安全です。

まとめ — Sonnet 3.5 は完全に旧モデル、Sonnet 4.6 へ移行を

Claude Sonnet 3.5 は 2024 年に Anthropic の主力モデルとして登場し、当時の Opus 3 を上回るベンチマークや computer use ベータの発表で大きな話題を呼びました。しかし 2025-10-28 に正式 retired となり、現在の API では呼び出し不可です。

後継の Claude Sonnet 4.6(claude-sonnet-4-6)は同じ価格帯で文脈窓 1M トークン・Extended Thinking・Adaptive Thinking を備えた強力な後継モデルです。Sonnet 3.5 を参照していたコードがあれば、API ID の差し替えと新機能の活用検討を組み合わせて移行を進めてください。

なお Anthropic は「過去モデルの weights を長期保存し、将来的に研究者向けに再公開を検討する」とコミットしているため、Sonnet 3.5 の挙動を再現したい研究用途では今後の Anthropic 発表を注視する価値があります。

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