
Claude in Unity — AI でゲーム開発を加速する完全セットアップガイド
Unity でゲームを開発しているなら、「Claude を開発フローに組み込めないか」と考えたことがあるはずだ。答えは「できる」、しかも思っている以上に深いところまで統合できる。コード生成だけでなく、シーン構築や GameObject の操作まで AI に任せられる環境が、すでに実用段階に入っている。本記事では、2 つのアプローチを軸に、セットアップから実践的な使い方まで体系的に解説する。
目次 (9)
Claude を Unity に組み込む 2 つのアプローチ
Unity で Claude を活用する方法は、大きく 2 つに分かれる。
アプローチ①:MCP なし(即時開始型)
Claude Code をインストールして Unity プロジェクトのルートフォルダで起動するだけ。C# コードの生成・修正・レビューが即座に使える。追加設定は不要で、今日から始められる。
アプローチ②:Unity MCP 連携(本格統合型)
Unity エディタそのものを Claude が直接操作できるようになる。シーンへのオブジェクト配置、コンパイルエラーの自動修正、ゲームオブジェクトの状態確認まで対応する。セットアップに 1〜2 時間かかるが、実現できることの幅が格段に広がる。
どちらから始めるかはプロジェクトの規模と目的に応じて選べばよい。プロトタイピングなら①で十分、本番開発なら②を視野に入れたい。
事前準備:Claude Code のインストール
両アプローチ共通の前提として、Claude Code CLI が必要だ。Node.js 18 以上を事前にインストールしたうえで、以下を実行する。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
インストール後、claude --version でバージョンが表示されれば準備完了だ。Claude Code を利用するには Anthropic アカウントと Pro プラン(月額 $20〜)が必要になる。
出典: Qiita — How I use Claude Code in Unity
アプローチ①:MCP なしで今すぐ始める
Unity プロジェクトのルートディレクトリをターミナルで開き、claude コマンドを実行するだけで Claude Code が起動する。この状態でできることは次のとおりだ。
- C# スクリプト生成:「プレイヤーのジャンプ処理を実装して」といった自然言語の指示でコードを生成
- コードレビュー:既存スクリプトを読み込ませてバグ指摘やリファクタリング提案を受ける
- 設計相談:クラス設計の選択肢を複数案で提示させてから実装に進む
操作上の注意点が 1 つある。Scene ファイルや Prefab の YAML を AI に直接編集させてはいけない。これらは Unity エディタが管理する内部形式であり、テキスト編集で破損するリスクが高い。スクリプト層だけを対象にするのがこのアプローチの鉄則だ。
アプローチ②:Unity MCP で本格連携
Unity MCP(Model Context Protocol)サーバーを導入すると、Claude が Unity エディタの API を直接呼び出せるようになる。100 以上のビルトインツールが利用可能になり、シーン操作・アセット管理・コンパイル制御まで自動化できる。
セットアップ手順(CLI 方式)
npm install -g unity-mcp-cli
unity-mcp-cli install-plugin ./MyUnityProject
unity-mcp-cli login ./MyUnityProject
unity-mcp-cli open ./MyUnityProject
unity-mcp-cli wait-for-ready ./MyUnityProject
wait-for-ready の完了を待ってから、プロジェクトルートで claude を起動する。Unity エディタが起動中であることが必須条件だ。
別の方法として Package Manager を利用する手もある。Unity エディタで Window > Package Manager から Unity MCP パッケージを追加し、エディタ上で「Start Server」をクリックすれば MCP サーバーが立ち上がる。その後 .claude/settings.json に localhost:8080 を指定することで Claude Code と接続される。
出典: dot-ai.myuuu.co.jp — Claude Code と Unity でゲーム開発する方法
MCP 連携が完了した状態では、「プレイヤー GameObject をシーンに追加して Rigidbody をアタッチして」という指示一発で、エディタ上のシーンに変更が反映される。ゲームが動作中でも AI がオブジェクトの状態を確認・操作できるため、リアルタイムデバッグも実現する。
CLAUDE.md でプロジェクトルールを定義する
どちらのアプローチでも、プロジェクトルートに CLAUDE.md を用意することで AI の理解度が劇的に向上する。記載すべき内容は次のとおりだ。
# ゲーム概要
- ジャンル:2D プラットフォーマー
- ターゲット:モバイル
# 技術仕様
- Unity 2022.3 LTS / URP
# 使用パッケージ
- DOTween, Cinemachine, TextMeshPro
# プロジェクト構造
Assets/
Scripts/ # C# スクリプト一式
Prefabs/ # プレハブ
Scenes/ # シーンファイル
# 命名規則
- クラス名 PascalCase
- private フィールド _camelCase
- MonoBehaviour 禁止(Model 層)
CLAUDE.md は育てるドキュメントだ。AI が繰り返す間違いがあれば「禁止事項」として追記し、精度を継続改善していく。
出典: Qiita — How I use Claude Code in Unity
効果的な指示の出し方
Claude への指示の質が、成果物の質を左右する。Unity 開発における効果的な指示のパターンをまとめる。
設計から入る
「作ってください」ではなく「設計案を 3 つ提案してください、それぞれのトレードオフも」と聞く。実装前に設計を固める習慣が品質を上げる。
スコープを明示する
「このメソッドだけ修正」「このクラスの範囲内で」と対象を絞ることで、関係ない箇所への予期せぬ変更を防ぐ。
ゲームデザインの意図を伝える
「重力を付けたい」より「プレイヤーが崖から落ちるとき、ふわっとした落下感を出したい」と目的レベルで伝える。実装の詳細は AI に委ねてよい。
セッションのリセットを意識する
長時間の会話ではコンテキストの忘却が起きやすい。大きな機能ごとにセッションをリセットし、都度 CLAUDE.md と関連コードを参照させるのが安定した運用だ。
Unity App UI パッケージ専用プラグイン
Unity の App UI パッケージを使っているプロジェクト向けには、専用の Claude Code プラグインが公式提供されている。
Package Manager で App UI を選択し、「AI Agent Skills」から「Install All」をクリックするとスキルファイルが .claude/skills に配置される。このスキルは次の領域をカバーする。
- コンポーネント・スタイリング・MVVM
- ナビゲーションシステム(NavGraph、NavController)
- Redux 状態管理(Store、Slices、Reducers)
- テーミング(USS 変数、ダーク/ライトモード)
スキルは自然言語の質問から自動起動するほか、直接呼び出しもできる。
/app-ui:app-ui-navigation
出典: Unity 公式ドキュメント — Claude Code Plugin
向いている用途・向いていない用途
Claude × Unity の組み合わせが効果を発揮する場面と、まだ任せにくい場面を整理しておく。
向いている用途
- UI システム、インベントリ、ショップ画面の実装
- セーブ&ロードシステム、敵 AI の行動ロジック
- プロトタイピング(基本ゲームループを数時間で実装)
- コードレビューとリファクタリング
- テスト駆動開発(モデル層の純粋 C# テスト)
向いていない用途
- 複雑なカスタムシェーダーの記述
- 高精度な物理シミュレーションの調整
- 3D モデルやテクスチャなどアセット生成(別途ツールが必要)
海外デベロッパーからは「10 ヶ月継続使用でプログラミング時間を大幅に削減し、QA テストや設計に注力できた」という報告もある。
注意点とよくある詰まりポイント
Git 管理は必ず自分で行う
AI にコミットや push を任せないこと。出力コードは必ずレビューしてから手動でコミットする。
起動フォルダはプロジェクトルート
Claude Code は起動したディレクトリを基点にファイルを認識する。Assets フォルダや Scripts フォルダで起動すると、CLAUDE.md や設定ファイルを見つけられなくなる。
Unity エディタは起動したままにする
MCP 連携を使う場合、Unity エディタが閉じていると接続が切れる。長時間の作業中は意識的にエディタを維持する。
Windows 環境のポート競合
デフォルトポート(8080)が他のアプリと競合することがある。環境変数でポートを変更して対処する。
wait-for-ready を必ず待つ
MCP 連携後、スキルの自動生成が完了するまで数分かかる。このコマンドの完了を待たずに Claude を起動すると、ツールが正しく認識されない。
Claude と Unity の組み合わせは、コーディング補助という枠を超えて、エディタ操作まで統合できる本格的な AI ペア開発環境になっている。まずは MCP なしのシンプルな構成で試し、プロジェクトが育ってきたら MCP 連携へステップアップする流れがおすすめだ。