
Claude MCP とは — できること一覧と接続 5 手順
MCP(モデルコンテキストプロトコル / Model Context Protocol)は、Anthropic が設計しオープンソースとして公開した「AI アプリケーションと外部システムを接続する標準プロトコル」です。Claude.ai・Claude Code・Claude Cowork・Anthropic SDK のいずれでも活用でき、外部データソースやツールをシームレスに呼び出せるようになります。本記事では公式ドキュメントに基づき、MCP の仕組みから Claude でのコネクター設定・独自サーバーの構築まで解説します。
MCP(Model Context Protocol)は Anthropic が設計し 2024 年 11 月に OSS 化した「AI と外部システムを繋ぐ標準プロトコル」で、現在は Linux Foundation がホストしています。
「AI 版 USB-C」とも呼ばれ、Claude.ai・Claude Code・Claude Cowork のいずれでも活用できます。
アーキテクチャは MCP ホスト / クライアント / サーバーの 3 層で構成され、Tools・Resources・Prompts の 3 プリミティブを JSON-RPC 2.0 で通信します。
Claude.ai での追加は Settings > Connectors から行い、Free は 1 コネクターまで、Pro 以上で複数接続が可能です。
目次 (23)
- MCP とは — AI 版 USB-C、AI と外部システムを繋ぐオープン標準プロトコル
- MCP の 3 要素 — ホスト / クライアント / サーバーで構成
- 要素 1: MCP ホスト — AI アプリ本体(Claude Desktop / Code / VS Code 等)
- 要素 2: MCP クライアント — ホスト内コンポーネント、stdio + Streamable HTTP 対応
- 要素 3: MCP サーバー — ローカル(同マシン)/ リモート(外部インフラ)で公開
- プロトコルの 2 層構造 — データ層(JSON-RPC 2.0)+ トランスポート層(stdio / HTTP)
- サーバーが提供する 3 つのプリミティブ — Tools / Resources / Prompts
- できること一覧 — Claude.ai / Desktop / Mobile / Code / Cowork / SDK の全 6 プロダクトで対応
- 主要 MCP コネクター — Claude.ai 公式ディレクトリの第一者統合一覧
- Claude.ai コネクターディレクトリ — Google Drive / GitHub / Notion 等の第一者統合
- Anthropic 公式発表時のプリビルドコネクター — 2024-11 OSS 化時点の初期ラインナップ
- 現在の公式リファレンスサーバー — modelcontextprotocol/servers リポジトリ
- 接続 5 手順 — Claude.ai(Web)での MCP コネクター設定
- Claude.ai(Web)での設定手順 — Settings → URL → OAuth → Add の 5 ステップ
- 独自 MCP サーバーの作り方 — Python / TypeScript SDK で 4 ステップで自作可能
- ログ出力の注意点 — stdio で print() は禁止、必ず stderr / logging へ
- セキュリティ・プライバシー — OAuth 推奨、宣言義務、ZDR は要確認
- 認証方式 — OAuth 推奨、動的クライアント登録(DCR)対応
- サーバー側の宣言義務 — readOnlyHint / destructiveHint でリスク判定を支援
- 接続時の推奨事項 — 信頼できる組織のみ・スコープ事前確認・動作監視
- ZDR(ゼロデータ保持)対応 — 公式記載未確認、Enterprise 利用前に要照会
- MCP / Claude Plugins / Agent Skills の違い — プロトコル / アプリ / ナレッジの 3 層
- 出典(一次情報)
MCP とは — AI 版 USB-C、AI と外部システムを繋ぐオープン標準プロトコル
MCP(モデルコンテキストプロトコル)は、Anthropic が設計した「AI アシスタントをデータが存在するシステムに接続する新しいオープン標準」です 出典。
公式ドキュメントは次のように定義しています。
"MCP is an open-source standard for connecting AI applications to external systems."
(MCP は AI アプリケーションを外部システムに接続するオープンソース標準です) [出典](https://modelcontextprotocol.io/introduction)
MCP はよく「AI 版 USB-C ポート」と例えられます。USB-C がデバイス間の物理的な接続を標準化したように、 MCP は AI アプリケーションと外部システムの接続方法を標準化します 出典。 MCP を使うことで以下のようなことが実現できます。
- エージェントが Google Calendar や Notion にアクセスし、よりパーソナルなアシスタントになる
- Claude Code が Figma のデザインをもとに Web アプリをまるごと生成する
- エンタープライズチャットボットが組織内の複数データベースに接続し、データ分析をチャットで実現する
2024年11月25日の公開以来、Claude に加えて ChatGPT・Visual Studio Code・Cursor など幅広いクライアントが対応し、 事実上のエコシステム標準となっています 出典。
なお、MCP は現在 The Linux Foundation がホストするオープンソースプロジェクトです。
GitHub Organization は modelcontextprotocol
(github.com/modelcontextprotocol)で管理されており、
Anthropic だけでなく Google(Go SDK)・Microsoft(C# SDK)・Spring(Java SDK)などのコントリビューターが参加しています
出典。
MCP の 3 要素 — ホスト / クライアント / サーバーで構成
公式ドキュメントに基づくと、MCP のアーキテクチャは以下の 3 つの参加者(Participants)で構成されます 出典。
要素 1: MCP ホスト — AI アプリ本体(Claude Desktop / Code / VS Code 等)
AI アプリケーション本体。1 つまたは複数の MCP クライアントを管理・調整します。 Claude Desktop・Claude Code・Visual Studio Code などが代表的なホストです。 ホストは接続先の MCP サーバーごとに 1 つの MCP クライアントを生成します。
要素 2: MCP クライアント — ホスト内コンポーネント、stdio + Streamable HTTP 対応
ホスト内部のコンポーネント。MCP サーバーとの接続を維持し、 コンテキスト(ツール・リソース・プロンプト)を取得してホストに渡します。 ローカルサーバーへの stdio 接続と、リモートサーバーへの Streamable HTTP 接続の両方に対応します。
要素 3: MCP サーバー — ローカル(同マシン)/ リモート(外部インフラ)で公開
コンテキストを MCP クライアントに提供するプログラム。 同じマシン上で動作する「ローカル MCP サーバー」と、外部インフラで動作する「リモート MCP サーバー」があります。 リモートサーバーは多数の MCP クライアントを同時に処理できます。
┌────────────────────────────────────────────────┐
│ MCP ホスト(AI アプリケーション) │
│ │
│ ┌─────────────┐ ┌─────────────┐ │
│ │ MCP Client 1│ │ MCP Client 2│ ... │
│ └──────┬──────┘ └──────┬──────┘ │
└─────────┼────────────────┼────────────────────┘
│ 専用接続 │ 専用接続
▼ ▼
┌────────────┐ ┌──────────────┐
│ MCP Server │ │ MCP Server │
│ (Local) │ │ (Remote) │
│ e.g. Git │ │ e.g. Slack │
└────────────┘ └──────────────┘
出典: modelcontextprotocol.io — Architecture overview をもとに構成図を作成
プロトコルの 2 層構造 — データ層(JSON-RPC 2.0)+ トランスポート層(stdio / HTTP)
MCP のプロトコルは「データ層」と「トランスポート層」の 2 層で構成されます。
| 層 | 役割 |
|---|---|
| データ層(Data Layer) | JSON-RPC 2.0 に基づくメッセージ構造を定義。ライフサイクル管理、ツール・リソース・プロンプトの受け渡し、通知を担当 |
| トランスポート層(Transport Layer) | 通信チャネルと認証を管理。stdio(ローカル)と Streamable HTTP(リモート)の 2 種類をサポート |
サーバーが提供する 3 つのプリミティブ — Tools / Resources / Prompts
MCP サーバーが MCP クライアントに提供できる機能は、以下の 3 種類のプリミティブ(Primitives)として定義されています 出典。
| プリミティブ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| ツール(Tools) | AI が呼び出せる実行関数 | ファイル操作・API 呼び出し・データベースクエリ |
| リソース(Resources) | コンテキスト情報を提供するデータソース | ファイル内容・DB レコード・API レスポンス |
| プロンプト(Prompts) | 再利用可能なインタラクションテンプレート | システムプロンプト・Few-shot 例示 |
できること一覧 — Claude.ai / Desktop / Mobile / Code / Cowork / SDK の全 6 プロダクトで対応
公式ドキュメントに基づく 2026-04-23 時点の対応状況は以下の通りです 出典。
| プロダクト | MCP 対応 | 備考 |
|---|---|---|
| Claude.ai(Web) | 対応 | Settings > Connectors でリモート MCP サーバーを追加 |
| Claude Desktop | 対応 | ローカル MCP サーバーのインストールをサポート(公式発表時点から対応) |
| Claude Mobile | 対応(段階展開) | 公式に「段階的に展開中」と記載 |
| Claude Code | 対応 | MCP サーバーを接続してコーディングワークフローを拡張可能 |
| Claude Cowork | 対応 | エージェントワークフローとの統合が可能 |
| Anthropic SDK | 対応 | MCP クライアントとして実装可能 |
主要 MCP コネクター — Claude.ai 公式ディレクトリの第一者統合一覧
以下は Anthropic 公式の発表ページおよびリポジトリに記載されているコネクターです。 記載のないコネクターの利用可否については、各サービスの公式情報を参照してください。
Claude.ai コネクターディレクトリ — Google Drive / GitHub / Notion 等の第一者統合
Claude.ai の公式コネクターディレクトリでは、以下のサービスとの「第一者統合(first-party integration)」が提供されています 出典。
- Google Drive / Gmail / Google Calendar
- GitHub
- Slack
- Microsoft 365
Anthropic 公式発表時のプリビルドコネクター — 2024-11 OSS 化時点の初期ラインナップ
MCP 発表時点に公式リポジトリで提供されたリファレンスサーバーは以下の通りです 出典。
- Google Drive — ドキュメント・ファイルへのアクセス
- Slack — チャンネル・メッセージの読み書き
- GitHub — リポジトリ操作・コードレビュー支援
- Git — ローカル Git リポジトリの操作
- PostgreSQL — データベースクエリ
- Puppeteer — Web ブラウザの自動操作
現在の公式リファレンスサーバー — modelcontextprotocol/servers リポジトリ
2026年4月時点、公式リポジトリでアクティブにメンテナンスされているリファレンスサーバーは以下の 7 本です
出典。
なお、GitHub・Google Drive・PostgreSQL 等のサーバーはアーカイブリポジトリ(servers-archived)へ移動しています。
| サーバー名 | 機能 |
|---|---|
| Everything | テスト用総合リファレンス(プロンプト・リソース・ツール全機能) |
| Fetch | Web コンテンツの取得と変換 |
| Filesystem | ファイル操作(アクセス制御付き) |
| Git | Git リポジトリの読取・検索・操作 |
| Memory | ナレッジグラフベースの永続メモリ |
| Sequential Thinking | 反省的な多段階問題解決 |
| Time | 時刻・タイムゾーン変換 |
QuickBooks・Zoom 等の具体的なコネクターについては、Anthropic 公式による記載を本執筆時点では確認できていません。 サードパーティが MCP サーバーを公開している可能性がありますが、公式情報として断定できないため、 claude.com/docs/connectors/directory でご自身で確認されることをお勧めします。
接続 5 手順 — Claude.ai(Web)での MCP コネクター設定
Claude.ai(Web)での設定手順 — Settings → URL → OAuth → Add の 5 ステップ
公式ドキュメントに基づく設定手順は以下の通りです 出典。
Free / Pro / Max プランの 5 手順
Settings > Connectors(またはCustomize > Connectors)を開くAdd custom connectorまたは+ボタンをクリック- リモート MCP サーバーの URL を入力
- OAuth 認証情報を必要に応じて設定
Addをクリックして追加
Team / Enterprise プラン — 管理者の Admin settings 経由で組織用に追加
管理者が Admin settings > Connectors で組織用コネクターを追加し、
メンバーは Settings > Connectors から個別に接続します。
チャット画面での有効化 — + ボタンから会話ごとに ON/OFF 切替可
チャット入力欄の + ボタンから Connectors を選択することで、
会話ごとにコネクターを有効・無効に切り替えられます
出典。
プランごとの接続数上限 — Free は 1 つ、Pro 以上は複数接続可
| プラン | 接続可能なカスタムコネクター数 |
|---|---|
| Free | 1 つ |
| Pro / Max / Team / Enterprise | 複数 |
独自 MCP サーバーの作り方 — Python / TypeScript SDK で 4 ステップで自作可能
MCP サーバーは、公式が提供する Python SDK または TypeScript SDK で実装できます 出典。
公式チュートリアルでは天気情報を返す 2 ツールのサーバーを例に、以下の流れで進めます。
- SDK のインストール — Python 3.10 以上と MCP SDK 1.2.0 以上が必要
- ツール定義 —
@mcp.tool()デコレータで関数をツールとして登録 - サーバー起動 — stdio または HTTP で公開
- クライアントへの登録 — Claude Desktop の設定ファイル、または Claude.ai の Settings > Connectors で URL を追加
ログ出力の注意点 — stdio で print() は禁止、必ず stderr / logging へ
stdio トランスポートを使用する場合、print() で標準出力に書き込むと JSON-RPC メッセージが壊れます。
ログは標準エラー出力(sys.stderr)またはロギングライブラリ経由で出力してください
出典。
# STDIO サーバーでの正しいログ出力
import sys
import logging
# Bad: stdout に書いてはいけない
# print("Processing request")
# Good: stderr に書く
print("Processing request", file=sys.stderr)
# Good: logging ライブラリを使う
logging.info("Processing request")
出典: modelcontextprotocol.io — Build an MCP server
完全な実装例は公式チュートリアルを参照してください: modelcontextprotocol.io/docs/develop/build-server
セキュリティ・プライバシー — OAuth 推奨、宣言義務、ZDR は要確認
公式ドキュメントに記載されているセキュリティ関連情報は以下の通りです。
認証方式 — OAuth 推奨、動的クライアント登録(DCR)対応
リモート MCP サーバーへの接続では OAuth 認証が推奨されています。Claude.ai では以下が利用できます 出典。
- OAuth コールバック機構(Auth コールバック URL:
https://claude.ai/api/mcp/auth_callback) - トークンの更新・失効管理
- 動的クライアント登録(DCR / Dynamic Client Registration)
サーバー側の宣言義務 — readOnlyHint / destructiveHint でリスク判定を支援
MCP サーバーはツールに readOnlyHint(読み取り専用フラグ)と
destructiveHint(破壊的操作フラグ)を宣言することが必須とされており、
Claude がツール呼び出しのリスクを適切に判断できるようになっています
出典。
接続時の推奨事項 — 信頼できる組織のみ・スコープ事前確認・動作監視
本セクションの要点を以下に整理します。
- 信頼できる組織のサーバーのみに接続する
- 要求されるパーミッションスコープを接続前に必ず確認する
- 接続後の予期しない動作変化を監視する
ZDR(ゼロデータ保持)対応 — 公式記載未確認、Enterprise 利用前に要照会
MCP コネクター使用時のゼロデータ保持(ZDR)対応については、本執筆時点で Anthropic 公式ページへの明確な記載を確認できていません。 Enterprise プランでのデータ処理ポリシーは出典をご確認ください。
MCP / Claude Plugins / Agent Skills の違い — プロトコル / アプリ / ナレッジの 3 層
本日公開の関連記事との棲み分けを整理します。
| 項目 | MCP | Claude Plugins | Agent Skills |
|---|---|---|---|
| 定義 | AI と外部システムを接続するオープンプロトコル | Anthropic が公式キュレーションしたプラグインカタログ | ユーザー・組織が定義する再利用可能な知識・手順 |
| 提供主体 | Linux Foundation / オープンソースコミュニティ | Anthropic 公式 | ユーザー / 組織 |
| 技術的な位置づけ | 通信プロトコル(インフラ層) | プロトコル上に構築されたアプリケーション | プロンプト・ナレッジベース |
| 実装者 | 外部サービス提供者 / 開発者 | Anthropic 認定パートナー | Claude ユーザー |
| 設定場所 | Settings > Connectors | Claude Code プラグイン管理 | Skills 設定画面 |
MCP はいわば「USB-C ポートの規格そのもの」、Claude Plugins は「その規格を使って公式が提供する周辺機器」、 Agent Skills は「ユーザーが設定するショートカット・マクロ」に相当します。 どれか一つが他を置き換えるものではなく、それぞれの層で補完し合う設計です。
出典(一次情報)
本記事の作成に直接参照した一次情報源は以下の通りです。最新の正確な情報は各リンク先で必ずご確認ください。
- Anthropic: Model Context Protocol の発表
- modelcontextprotocol.io — Introduction
- modelcontextprotocol.io — Architecture overview
- modelcontextprotocol.io — Build an MCP server
- GitHub: modelcontextprotocol Organization
- GitHub: modelcontextprotocol/servers — 公式リファレンスサーバー
- Claude Docs — Connectors overview
- Claude サポート — What are connectors?
- Claude Docs — Custom remote MCP
- Claude Docs — Building an MCP server for Claude