
Kimi K2.5 を Claude Code で使う設定手順|API 接続と料金
Claude Code は接続先を Anthropic 互換エンドポイントに向けるだけで、Moonshot の Kimi K2.5 をバックエンドに差し替えて動かせる。環境変数を3つ(BASE_URL・AUTH_TOKEN・MODEL)設定すれば、使い慣れた CLI のまま 256K コンテキストで低コストにコーディング支援を受けられるとわかる。
目次 (11)
Kimi K2.5 を Claude Code で使うとはどういうことか
Claude Code は内部で Anthropic の Messages API を話す CLI ツールです。この「話し相手(エンドポイント)」を差し替えられる仕組みがあり、Moonshot AI が Anthropic 互換のエンドポイントを公開しているため、Claude Code のワークフロー(リポジトリ走査・ファイル編集・コマンド実行)はそのまま維持しつつ、応答を生成するモデルだけを Kimi K2.5 に置き換えられます。
ツール本体を改造する必要はありません。ANTHROPIC_BASE_URL を Moonshot のエンドポイントに、認証トークンを Moonshot の API キーに、モデル名を Kimi に向けるだけです。Claude Code 側から見れば「Anthropic 互換 API が返事をしている」状態なので、コード変更なしで成立します。
出典: Kimi API Platform 公式ドキュメント
必要なもの(前提条件)
導入前に揃えておくものは次の3つです。
- Claude Code 本体がインストール済みであること(npm 等で導入済みの状態)
- Moonshot のオープンプラットフォームアカウントと API キー
- 環境変数を設定できるターミナル(macOS / Linux のシェル、または Windows PowerShell)
API キーは Moonshot のコンソール(platform.kimi.ai/console/api-keys)で発行します。発行したキーは ANTHROPIC_API_KEY ではなく ANTHROPIC_AUTH_TOKEN として渡す点が最初のつまずきどころです。
Step 1: API キーを取得する
Moonshot のオープンプラットフォームにログインし、API キー管理画面で新しいキーを発行します。発行直後にしか全文が表示されないキー形式のため、その場でコピーして安全な場所に控えてください。あわせて、後述の暴走コスト対策として、コンソール側で日額の利用上限(予算上限)を設定しておくと安心です。
Step 2: 環境変数を設定する
macOS / Linux のシェルでは、以下を export します。
export ANTHROPIC_BASE_URL=https://api.moonshot.ai/anthropic
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=YOUR_MOONSHOT_API_KEY
export ANTHROPIC_MODEL=kimi-k2.5
export ANTHROPIC_SMALL_FAST_MODEL=kimi-k2.5
Windows PowerShell の場合は次のように書きます。
$env:ANTHROPIC_BASE_URL="https://api.moonshot.ai/anthropic"
$env:ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="YOUR_MOONSHOT_API_KEY"
$env:ANTHROPIC_MODEL="kimi-k2.5"
中国本土向けに接続する場合は、エンドポイントを https://api.moonshot.cn/anthropic に変えます。ANTHROPIC_SMALL_FAST_MODEL は要約や軽量タスクに使われる補助モデルの指定で、同じく Kimi を指定しておくと挙動が安定します。
出典: apidog — Kimi K2.5 と Claude Code の統合
Step 3: 設定を永続化する(settings.json)
毎回 export するのが手間な場合は、設定ファイルに書いておけます。Claude Code は次の3つのスコープの設定ファイルを読み込みます。
- ユーザー全体:
~/.claude/settings.json - プロジェクト共有: プロジェクト直下の
.claude/settings.json - 個人ローカル:
.claude/settings.local.json(gitignore 対象にして API キー漏洩を防ぐ)
env オブジェクトに先ほどの環境変数を書けば、ターミナルを開くたびのエクスポートが不要になります。API キーを含むファイルは必ず settings.local.json に置き、リポジトリにコミットしないよう注意してください。チームで共有したい接続先(BASE_URL やモデル名)はプロジェクト共有側、秘密のキーはローカル側、と分けるのが安全です。
Step 4: 接続を確認する
設定後はターミナルを 完全に再起動 してから Claude Code を立ち上げます。環境変数の変更は、既に開いているセッションには反映されないためです。起動後、/status コマンドで現在の接続先モデルを確認できます。ここで Kimi が表示されれば差し替え成功です。
Kimi K2 系は思考(thinking)機能に対応しており、Claude Code 上では Tab キーで thinking の有効・無効を切り替えられます。複雑な設計タスクでは有効化すると精度が上がります。
モデル名の選び方(K2.5 と K2.7)
検索でたどり着く読者が混乱しやすいのがモデル名です。本記事の主題である kimi-k2.5 は安定して使えるモデル名ですが、Moonshot は後継として kimi-k2.7-code などコーディング特化の新しいモデルもリリースしています。公式ドキュメントの最新サンプルでは kimi-k2.7-code が案内されているため、最新のコーディング性能を求める場合は ANTHROPIC_MODEL をそちらに変えるだけで切り替えられます。
どちらを使う場合も設定手順は同一で、変えるのは ANTHROPIC_MODEL の値のみです。まず kimi-k2.5 で疎通を確認し、その後に新モデルを試す、という進め方が確実です。
スペックと料金感
Kimi K2.5 は 256,000 トークンのコンテキスト長を持ち、大規模なコードベースをまとめて読み込ませる用途に耐えます。Anthropic Messages API 仕様に準拠しており、マルチモーダル入力にもネイティブ対応しています。
料金は Moonshot 側の従量課金で、一般に Claude の上位モデルを直接使うより低コストに抑えられるのが、この構成を選ぶ最大の動機です。ただし公式に固定の料金表が掲示されているわけではなく、利用トークン量で変動します。コンソールで日額上限を設定し、想定外の課金を防ぐ運用が推奨されています。
出典: Using Kimi K2.5 inside Claude Code(セットアップガイド)
つまずきやすい注意点
実際に差し替える際に踏みやすい落とし穴を整理します。
ANTHROPIC_API_KEYではなくANTHROPIC_AUTH_TOKENを使う(変数名を間違えると認証が通らない)- 環境変数を変えたら ターミナルを完全に再起動 する(開きっぱなしのセッションには反映されない)
- ログアウト状態だと Claude Code が設定を正しく読み込まないことがある
- 複雑なタスクではタイムアウトが足りなくなるため、
API_TIMEOUT_MS=600000(600 秒)など長めに設定する - 通信を最小化したい場合は
CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC=1を併用する
これらはいずれも「設定したのに動かない」と感じる典型原因です。動作しないときは、まず /status で接続先を確認し、変数名とターミナル再起動の2点を疑うのが近道です。
公式 Claude を使う場合との違い
Anthropic 純正の Claude(Opus / Sonnet など)を Claude Code で使う構成と、本記事の Kimi 差し替え構成は、目的が異なります。純正構成はモデル品質とエコシステムの一貫性が強みで、Kimi 差し替えはコストと長文コンテキストのコストパフォーマンスが強みです。
どちらか一方に固定する必要はありません。環境変数やプロジェクト別の settings.json を使い分ければ、日常の軽い作業は Kimi、重要な設計判断は純正 Claude、といった併用も可能です。Claude Code の「接続先を差し替えられる」設計を理解しておくと、用途に応じて柔軟にバックエンドを選べます。
まとめ
Kimi K2.5 を Claude Code で使う設定は、環境変数3つ(ANTHROPIC_BASE_URL・ANTHROPIC_AUTH_TOKEN・ANTHROPIC_MODEL)を Moonshot 向けに書き換えるだけで完了します。256K の長文コンテキストを低コストで活用でき、純正 Claude との併用も settings.json の使い分けで実現できます。まずは kimi-k2.5 で疎通確認し、必要に応じて kimi-k2.7-code など新モデルへ切り替えていくのが堅実な進め方です。