
Claude × TouchDesigner MCP|リアルタイム映像をAIで操作する
TouchDesignerは、リアルタイム映像・インタラクティブインスタレーション・ライブパフォーマンスに使われるビジュアルプログラミング環境だ。これまでノードを手作業で繋ぐ職人的なスキルが求められてきたが、ClaudeをMCP経由で接続することで「自然言語でTDプロジェクトを操作する」ことが現実になっている。
本記事では、ClaudeとTouchDesignerを連携させる3つの方法と、それぞれのセットアップ手順・ユースケースを解説する。
目次 (19)
- TouchDesignerとClaude連携で何ができるのか
- 方法① TouchDesigner MCPサーバー — AIがプロジェクトを直接操作
- 提供される主なツール
- TouchDesigner MCPのインストール手順
- 前提条件
- セットアップ
- Claudeへの接続(3方式から選択)
- 動作確認
- 方法② VIBE-CONTROLLER — スケッチ1枚でUIを自動生成
- 基本的な使い方
- Basic版とPro版の違い
- 方法③ Claude Code スキル「TouchDesigner Guide」
- スキルが解決する問題
- 実際のユースケース
- VJパフォーマンス中のリアルタイム改修
- インタラクティブインスタレーションのデバッグ
- プロトタイプの高速化
- 現状の制限と注意事項
- まとめ
TouchDesignerとClaude連携で何ができるのか
2026年時点で公開されている連携手段は大きく3つに分かれる。
- TouchDesigner MCPサーバー — ClaudeがTDプロジェクトのノードを作成・削除・PythonスクリプトをTD内で実行できるブリッジ
- VIBE-CONTROLLER — HTML Canvas UIをClaude Codeへの自然言語指示だけで生成し、TDにリロードするツール
- Claude Code スキル「TouchDesigner Guide」 — Claude CodeをTD専用アシスタントとして動かすスキルセット
いずれもTDの操作コストを大幅に下げるもので、「ノード名が思い出せない」「Pythonスクリプトをゼロから書くのが面倒」という日常の摩擦を取り除く。
方法① TouchDesigner MCPサーバー — AIがプロジェクトを直接操作
touchdesigner-mcp は、MCP(Model Context Protocol)を使ってClaudeがTDの実行中プロジェクトを読み書きできるサーバーだ。TypeScript/Python製でMITライセンス、2026年6月時点でバージョン1.4.9が公開されている。
提供される主なツール
- ノードの作成・削除・メソッド呼び出し — Claudeへの一言でオペレーターを追加できる
- Pythonスクリプト実行 — TDのPythonコンテキスト内で任意のコードを走らせる
- パラメーター・エラーの取得 — ネットワークの状態をClaudeに読み込ませ、デバッグを任せられる
- ドキュメント参照 — TDのPythonモジュールのヘルプをClaudeが自動参照する
これにより「ノイズテクスチャを作って出力に繋いで」と言うだけで、Claudeが対応するノードを生成し配線まで行う。
TouchDesigner MCPのインストール手順
公式リポジトリ(https://github.com/8beeeaaat/touchdesigner-mcp)の docs/installation.md に従って進める。
前提条件
- TouchDesigner(最新版推奨)
- Node.js 18.x 以降(NPM方式の場合)
セットアップ
- GitHubリリースページから
touchdesigner-mcp-td.zipをダウンロードして解凍する mcp_webserver_base.toxをTDプロジェクトにインポートする(フォルダ構造を保持すること)- TDをその状態で起動する
Claudeへの接続(3方式から選択)
方式A:MCPバンドル(Claude Desktop向け・最もシンプル)
.mcpbファイルをダブルクリックするだけで Claude Desktop に登録される
方式B:NPMパッケージ(Claude Code向け)
claude_desktop_config.jsonに以下を追加する
{
"mcpServers": {
"touchdesigner-mcp": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "touchdesigner-mcp-server"]
}
}
}
方式C:Dockerコンテナ
- リポジトリをクローンして
docker-compose up -dを実行する - HTTP転送またはstdioパススルーを選択する
動作確認
Claude上で「touchdesigner-mcpサーバーが表示されているか」を確認する。表示されていればTDの実行中プロジェクトに対してClaudeから指示できる状態になっている。
方法② VIBE-CONTROLLER — スケッチ1枚でUIを自動生成
VIBE-CONTROLLER は、HTML Canvasベースのコントローラーを「自然言語の説明だけ」でTD内に配備できるツールだ。
基本的な使い方
- VJ中に「もっとつまみを増やしたい」と思ったらClaude Codeに変更内容を文章で伝える
- Claudeが対応するHTMLコードを自動生成する
- TDでリロードすると新しいUIが即座に反映される
「手書きスケッチからUI生成」もできる。Claude Code内の /sketch-to-interface スキルに写真をアップロードするだけで、ナプキンの落書きレベルのスケッチが機能するコントローラーに変換される。
Basic版とPro版の違い
| 項目 | Basic(無料) | Pro(有料) |
|---|---|---|
| 通信方向 | UI → TD の単方向 | 双方向 |
| テンプレート | 1テーマ | 4テーマ × 5レイアウト(20種) |
| プリセット | なし | あり(自動レイアウト機能付き) |
VIBE-CONTROLLERには専用の CLAUDE.md が付属しており、Claudeが「このプロジェクトのUI構造を理解した状態」で指示を受け取るため、コンテキスト誤りによる生成ミスが減る設計になっている。
方法③ Claude Code スキル「TouchDesigner Guide」
MCPマーケット(mcpmarket.com)には「TouchDesigner Guide」というClaude Code専用スキルが公開されている。このスキルを適用すると、ClaudeはTD特有の制約を把握した状態で動作する。
スキルが解決する問題
通常のLLMをTDに使うと、存在しないオペレーター名を生成したり、パラメーター設定が実際のTD仕様と食い違うケースが頻繁に起きる。このスキルは op.TDAPI というカスタムユーティリティの使用を強制することで、ノード作成・ネットワークレイアウト・パラメーター設定の精度を高める。
ライブパフォーマンスのセッション中にリアルタイムでTDを書き換える場面など、「迷いなくClaudeに指示できる状態」を作りたい場合に有効だ。
実際のユースケース
VJパフォーマンス中のリアルタイム改修
演奏中に「ここのエフェクトをもっと激しくしたい」と感じても、ノードを手で探してパラメーターを変更する時間はない。MCP接続したClaudeに声でなくテキストで指示するだけで、実行中のTDプロジェクトに変更が入る。
インタラクティブインスタレーションのデバッグ
センサー入力のマッピングがうまく機能しない場合、Claudeにエラーログを読ませてPythonスクリプトの修正まで任せられる。TDとClaude Codeを行き来せずに作業を完結できる。
プロトタイプの高速化
「このジェネラティブアートのパターンに新しいレイヤーを追加して」という一言から、Claudeがノード構成を提案してTD内に実装する。アイデア検証のスピードが上がる。
現状の制限と注意事項
- TD側の接続が必要 —
mcp_webserver_base.toxが常にプロジェクトに含まれていないと接続が切れる - 複雑なネットワークへの影響 — 大規模なTDプロジェクトでClaudeがノードを生成する際、既存のネットワーク構造への影響を事前に確認することが推奨される
- スクリプトの実行権限 — PythonスクリプトをTD内で直接実行できるため、意図しない操作を防ぐためにClaudeへの指示は明確に絞るほうがよい
- 英語指示が安定 — MCPサーバーへの指示は現時点では英語のほうが精度が出やすい傾向がある
まとめ
ClaudeとTouchDesignerの連携は、MCPサーバー・VIBE-CONTROLLER・Claude Codeスキルの3層で成熟しつつある。ノードを手で繋ぐ作業時間を削り、「映像をどう見せるか」のクリエイティブな判断に集中できる環境が整いつつある。
まず試すなら touchdesigner-mcp-td.zip をダウンロードして mcp_webserver_base.tox をプロジェクトに組み込む方法が最短だ。Claude Desktop用の .mcpb ファイルを使えば、設定は文字通りダブルクリック1つで終わる。
参考URL