
Claude PC コントロール 3 経路の決定版 — Cowork・Claude Code・Computer Use Tool の違いと使い分け
「Claude で PC を操作したいけど、結局どの経路を選べばいいの?」と迷っていませんか?Cowork・Claude Code・Computer Use Tool の 3 経路を OS・プラン・用途別に整理してまとめました。
- 最も入りやすいのは Cowork:macOS / Windows 対応、Pro・Max プランで Claude Desktop を入れれば即起動できる第一経路
- 開発者の CLI 経路は Claude Code Computer Use:macOS 限定・Pro / Max・v2.1.85 以降のインタラクティブセッションで
/mcpからcomputer-useを有効化 - OS 非依存で自動化するなら Computer Use Tool(API):
computer_20250124ツールを使い、画面提供と入力ディスパッチは自前のサンドボックスで実装
目次 (8)
- Claude PC コントロールとは — 画面を見て操作する研究プレビュー機能
- PC コントロールの 3 経路 — Cowork・Claude Code・Computer Use Tool
- Cowork で PC をコントロールする — 入りやすい第一経路
- Claude Code Computer Use で PC をコントロールする — 開発者向け CLI 経路
- Computer Use Tool(API)で PC をコントロールする — 自前サンドボックス経路
- Dispatch — PC を離れている間に Claude に作業させる
- セキュリティと許可フロー — アプリ単位の明示許可が必須
- 用途別の選び方 — どの経路を選ぶか
Claude PC コントロールとは — 画面を見て操作する研究プレビュー機能
Claude PC コントロールは、Claude がスクリーンショットを通じて画面を「見て」、マウス・キーボードを操作し、複数のアプリにまたがる作業を自律的に進める研究プレビュー機能です。2026 年 3 月 23 日に Anthropic が一般向けに発表し、その後 Cowork・Claude Code・API の 3 経路に展開されました(出典: Anthropic says Claude can now use your computer)。
Claude は画面のピクセル情報をスクリーンショットとして取り込み、ボタン位置・テキストフィールド・メニュー項目を視覚的に解釈してアクションを返します。アプリ固有の API を介さないため、ネイティブアプリ・Web ブラウザ・ターミナル・スプレッドシートまで、人間が GUI で操作できるものは原則すべて対象になります。一方で Anthropic 自身が「コードや文章の操作と比べると、まだ初期段階の機能」と明記しており、誤クリック・誤入力のリスクを前提とした設計が要求されます(出典: Put Claude to work on your computer)。
PC コントロールの 3 経路 — Cowork・Claude Code・Computer Use Tool
3 経路は「どこから Claude を呼ぶか」が違うだけで、視覚 → アクション変換のコアは共通しています。Cowork は Claude Desktop アプリの専用 UI から、Claude Code は開発者向けの CLI セッションから、Computer Use Tool は Anthropic API クライアントから、それぞれスクリーンへの権限を Claude に委譲します。
対応 OS と利用条件は経路ごとに大きく異なります。Cowork は macOS / Windows 両対応で、Pro・Max プラン契約者が Claude Desktop アプリを入れるだけで使えます。Claude Code Computer Use は macOS 限定・Pro / Max プラン・Claude Code v2.1.85 以降・インタラクティブセッションのみという 4 制約があり、/mcp で computer-use を有効化したプロジェクトでのみ起動します(出典: Let Claude use your computer from the CLI)。Computer Use Tool(API)は OS 非依存ですが、画面提供と入力ディスパッチは開発者側で実装する必要があり、Anthropic が参照実装としてサンドボックスの Dockerfile を公開しています(出典: Computer use tool — Claude API Docs)。
Cowork で PC をコントロールする — 入りやすい第一経路
Cowork は Claude Desktop アプリから Claude にデスクトップ操作権を渡す機能で、3 経路のうち最も導入障壁が低い選択肢です。Claude.com にログインして Claude Desktop を macOS または Windows にインストールし、Cowork のセッションを開始すると、Claude がアプリ単位で明示的な許可を求めながら GUI を操作します(出典: Let Claude use your computer in Cowork)。
対応プランは Pro と Max のみで、Free プランや Team / Enterprise の一部では利用できません。アクセシビリティと画面収録の OS 許可を最初に 1 回与えれば、以降は Claude が「Chrome を操作してよいか」「Numbers にアクセスしてよいか」とアプリ単位で確認を入れる二段構えになります。研究プレビュー段階のため、長時間放置型の自動化よりも、ユーザーが横で監視する「ペア作業」的な使い方が安全な運用パターンとされています(出典: Claude Computer Use Security Risks 2026 Guide)。
Claude Code Computer Use で PC をコントロールする — 開発者向け CLI 経路
Claude Code Computer Use は、Claude Code の CLI セッションから macOS のスクリーン制御権を Claude に委譲する経路です。computer-use という組み込み MCP サーバーが提供されており、デフォルト無効・/mcp メニューで有効化したプロジェクトでのみ起動します。利用条件は macOS 限定・Pro または Max プラン・Claude Code v2.1.85 以降・インタラクティブセッション(-p 非インタラクティブモード不可)の 4 つです(出典: Let Claude use your computer from the CLI)。
Anthropic は Computer Use を「最も広く、最も遅いツール」と位置付け、Claude Code の中では MCP → Bash → Chrome の Claude → Computer Use の順で使うべきツールとして文書化しています。E2E UI テスト、ネイティブアプリのビルド検証、ビジュアルバグの再現といった「スクリーンを実際に見ないと判断できない作業」が主戦場で、テキスト操作で済むタスクには使わないのが推奨パターンです。Accessibility と Screen Recording の 2 つの macOS 許可を付与すれば、セットアップ自体は 5 分程度で完了します。
Computer Use Tool(API)で PC をコントロールする — 自前サンドボックス経路
Computer Use Tool は Claude API 側で提供される一次インターフェースで、computer_20250124 というツール識別子を Messages API に渡すと有効化されます。Claude が mouse_move・left_click・type・key・screenshot などのアクションを返してくるので、開発者側のランタイムがそれを自前のサンドボックス上で実行し、結果のスクリーンショットを次の turn に返す形でループを回します(出典: Computer use tool — Claude API Docs)。
Anthropic 公式の参照実装は Docker コンテナ内で Linux デスクトップを動かし、VNC 経由で画面提供と入力ディスパッチを行います。サンドボックス前提のため、社内システムを動かす Windows VM を組んで RPA 的に使う、ECS Fargate 上で並列に複数の Claude エージェントを走らせる、といった本番運用に踏み込めるのが API 経路の強みです。ただしアプリ単位の許可ダイアログは Cowork や Claude Code のような GUI からは出ないため、操作対象の隔離設計はすべて開発者責任になります。
Dispatch — PC を離れている間に Claude に作業させる
Dispatch は、Cowork と組み合わせて使う「不在中の自律実行」機能です。ユーザーが PC から離れても Claude がタスクを継続し、復帰時には結果がレポートとして待っている、という働き方を実現します。Anthropic は 2026 年 3 月のローンチで Dispatch と Computer Use を同時に発表し、「ランチに出ている間も Claude が作業を続ける AI 同僚」というメッセージで打ち出しました(出典: Claude March 2026: Computer Use, Dispatch and Anthropic news)。
2026 年 3 月時点で Dispatch は macOS 限定で、Windows 版 Cowork から Dispatch を併用する経路はまだ展開ロードマップに乗っていません。Dispatch を使う際は「どのアプリに触ってよいか」「どこまで進めたら停止するか」を事前に Claude に伝えるプロンプト設計が安全性を左右します。Anthropic 自身が安全装置の改善を継続中と明言しているため、不可逆操作(送金・本番デプロイ・削除系)を任せるユースケースはまだ避けるのが現実的な判断です。
セキュリティと許可フロー — アプリ単位の明示許可が必須
3 経路すべてに共通する安全機構が、アプリ単位の明示許可フロー です。Cowork と Claude Code Computer Use は、Claude が新しいアプリにアクセスするたびにポップアップで「このアプリでの操作を許可しますか」と確認します。ユーザーが承認しない限り Claude はそのアプリのウィンドウに触れません(出典: Let Claude use your computer in Cowork)。
加えて、画面収録・アクセシビリティの OS レイヤー権限が前提となります。macOS であればシステム設定 > プライバシーとセキュリティ から Claude Desktop / Claude Code に両方の権限を付与する必要があり、付与を忘れると「Claude が操作しているはずなのに何も起きない」という状態に陥ります。プロンプトインジェクション経由で悪意ある指示が混入するリスクも Anthropic は明示しており、Web ブラウザを操作させる場合はログイン状態の隔離(プロファイル分離・ゲストモード)を併用するのが推奨パターンです(出典: Claude Computer Use Security Risks 2026 Guide)。
用途別の選び方 — どの経路を選ぶか
経路選択は 「OS」「開発者か非開発者か」「自動化の自律性」 の 3 軸で決まります。非開発者で macOS / Windows どちらでも入りやすく始めたい場合は Cowork が第一候補です。開発者で macOS を使っており、Claude Code セッションの中で UI 操作を組み込みたい場合は Claude Code Computer Use、本番運用のサンドボックスで RPA 的に並列展開したい場合は Computer Use Tool(API) が選択肢になります。
Linux 環境で Claude に PC コントロールをさせたい場合、現時点で公式に動く経路は Computer Use Tool(API)を自前サンドボックスで実装するパスのみです。Cowork も Claude Code Computer Use も Linux 対応はロードマップに明示されておらず、Linux ユーザーは API 経路で Docker サンドボックスを組むのが現実解になります(出典: Computer use tool — Claude API Docs)。Dispatch を併用した不在中自動化は macOS Cowork のみ対応のため、長時間放置型のワークフローを組みたい場合は macOS を選ぶのが 2026 年 5 月時点での最短ルートです。
WROTE — claude-pc-control