
Claude Code /code-review 入門|/simplify 廃止と v2.1.148
Claude Code v2.1.147 で /simplify が突然 /code-review にリネームされ、社内手順や教育コンテンツに組み込んでいたチームが移行対応に追われています。さらに同バージョンには Bash ツール経由のコマンドが軒並み exit code 127 で落ちる重大リグレッションが含まれており、翌朝には v2.1.148 のホットフィックスが緊急公開されました。本記事では /code-review の新仕様、--comment による PR インラインコメント投稿、v2.1.148 への安全な切替手順、そして社内ドキュメントの一括更新チェックリストまで一気通貫で整理します。
Anthropic は 2026-05-21 公開の Claude Code v2.1.147 で /simplify を /code-review に改称 し、effort レベル指定(high / medium / low)と PR インラインコメント投稿用の --comment オプション を追加しました。旧 /simplify に同梱されていた汎用クリーンアップ動作は 削除されている ため、コード整形目的で常用していた人は別コマンドに切り替えが必要です。
翌 2026-05-22 には Bash ツール経由のコマンドが全て exit code 127 を返す重大リグレッションに対応する v2.1.148 ホットフィックスが約 5 時間弱で緊急公開 されました。claude --version が 2.1.147 のまま固定されている場合は 即時アップデート対象 で、影響期間中に走らせた CI のステップは再走確認が必要です。echo hello を Bash ツールで投げて 127 が返るかが最短の判定方法です。
移行作業の核は 社内 Wiki / Notion / README / CI 設定 / 教育コンテンツの /simplify 全置換、--comment オプションを PR トリガーに組み込んだ自動レビュー構成への移行、reviewdog など既存レビューボットとの 棲み分け線引き の 3 点です。v2.1.148 ホットフィックス以降は更新を遅らせるほど被害ユーザーが拡大するため、最遅でも翌営業日の早朝までに全社展開を完了 させる運用を推奨します。
目次 (19)
- /simplify から /code-review へ — 改称の背景と影響範囲
- 旧 /simplify に同梱されていたクリーンアップ動作は削除されている
- 影響範囲 — ドキュメント・教育コンテンツ・連携手順の総取り替え
- /code-review の基本使い方 — effort レベル指定と対象指定
- effort レベル(high / medium / low)の使い分け
- 対象指定 — ファイル単位・コミット範囲・PR 単位
- --comment オプションで GitHub PR にインラインコメントを投げる
- 前提 — GitHub 認証と権限スコープ
- CI から呼ぶ最小構成
- インラインコメントの粒度と既存ボットとの棲み分け
- v2.1.148 ホットフィックス — Bash exit code 127 リグレッションの即時解消
- 自分が影響を受けているかの判定方法
- 安全な切替手順
- 影響期間中に走らせた CI / 連携手順のフォローアップ
- 移行チェックリスト — 社内ドキュメント・連携手順・教育コンテンツの更新
- 全置換のための grep 例
- 旧バージョン固定運用の判断基準
- 関連トレンド — 新コマンド・大型機能化の同時期動向
- 出典
/simplify から /code-review へ — 改称の背景と影響範囲
Anthropic は 2026 年 5 月 21 日 20:39 UTC(日本時間 22 日 05:39 JST)に Claude Code v2.1.147 をリリースし、長らく汎用クリーンアップ的に使われてきた /simplify コマンドを /code-review に改称しました。一次情報は GitHub の v2.1.147 リリースノート と Anthropic 公式 changelog で、コマンド名の変更に加えて effort レベル指定と --comment オプションが同時に追加されたことが明記されています。改称の意図は「コードレビュー専用コマンドである」ことを明示し、後続で実装される PR 連携機能の前提を整える点にあります。/simplify が指していた行為のうち「読みやすさのための整形」は新コマンドの責務から外れており、コード整形目的で /simplify を常用してきた利用者は別の手段への切り替えが必須です。
旧 /simplify に同梱されていたクリーンアップ動作は削除されている
旧 /simplify は名前のとおり「単純化」を担当しており、コードレビューに加えて未使用 import の削除や条件式の整理など、軽い lint 的な整形を一括で行う動きが含まれていました。v2.1.147 以降の /code-review はあくまでレビューに専念する設計に変更されており、整形は別途 prettier / eslint --fix / ruff format 等の専用ツールに任せる切り分けになります。社内で「/simplify を流せば format も走る」という前提でレビュー前の整形を省略していたチームは、CI 段で format step を独立させる構成変更が必要になります。
影響範囲 — ドキュメント・教育コンテンツ・連携手順の総取り替え
/simplify を組み込んでいたアセットは、社内 Wiki、新人研修資料、README、CI スクリプト、Makefile、Pull Request テンプレートの注意書きなど多岐にわたります。リリースから 1 日経った時点でも、検索エンジン上は古い /simplify 解説が大量に残っており、検索からたどり着いた新入社員が「コマンドが見つからない」エラーで詰まる事故が起こり得ます。社内に向けては全文置換の grep 例(後述の最終章)を配布し、外部向けの解説記事を持っているチームは公開済みコンテンツの annotate も同時に進めるのが安全です。
/code-review の基本使い方 — effort レベル指定と対象指定
/code-review は対話モードと Headless モードの両方で同じインターフェースを持ちます。対話モードでは Claude Code のチャット欄に /code-review と入力するだけで、現在のリポジトリのステージ済み変更を対象にレビューが走ります。Headless モードでは claude --code-review の形でシェルから直接呼び出し、終了コードと標準出力を CI でハンドリングできます。effort レベルは旧 /simplify には無かった概念で、レビューの厳格さとトークン消費量を 3 段階で切り替えられるようになりました。重要 PR と軽微修正で同じ厳格さを当てるのは費用対効果が悪く、明示的なレベル指定は社内運用の標準化に直結します。
effort レベル(high / medium / low)の使い分け
/code-review high はリリース直前のブランチ、決済処理やユーザー認証など影響範囲が広い変更、外部公開 API の破壊的変更を含む PR を対象にします。Claude はテストケースの過不足、エッジケース、暗黙的に依存している副作用まで含めて深く読み込みます。/code-review medium(明示しない場合のデフォルト)は通常の feature 開発に適しており、機能仕様への適合と典型的なバグパターンの検出をバランス良くカバーします。/code-review low は文字列リテラルの修正、文書差分、リファクタリング目的のリネームなど影響範囲が局所的な変更に当て、レビュー時間とトークン消費を最小化します。
対象指定 — ファイル単位・コミット範囲・PR 単位
/code-review の対象は引数なしの場合「現在ブランチの未コミット変更」になりますが、ファイルパスを直接渡せばその範囲のみのレビューに絞れます。コミット範囲を指定したい場合は /code-review HEAD~3..HEAD のように Git の rev-list 構文をそのまま使えます。PR 単位でレビューを走らせる場合は gh pr checkout <番号> でローカルにブランチを切り出した後、claude --code-review --comment を投げる構成が最も実装しやすい運用パターンです。出力には深刻度マーク(critical / major / minor / nit)と推奨アクションが付与され、critical と major を CI の失敗扱いにしておくと、レビュー観点の漏れを構造的に防げます。
--comment オプションで GitHub PR にインラインコメントを投げる
v2.1.147 で追加された --comment オプションは、/code-review の結果を GitHub の PR にインラインコメントとして直接投稿します。これまで Claude Code のレビュー結果は標準出力で受け取って手動でコピペするか、PR の本文に丸ごと貼り付けるくらいしか連携手段がありませんでしたが、--comment の登場で「該当行に Claude のコメントが残る」状態を CI から生成できるようになりました。レビュー結果がコード行に紐付いて残ることで、後から PR を見返したときも文脈を失わずに済みます。
前提 — GitHub 認証と権限スコープ
--comment の前提として、CI 実行環境で gh auth login 済みである、または GH_TOKEN 環境変数に PR コメント投稿権限を持つトークンが渡されている必要があります。GitHub Actions であれば GITHUB_TOKEN がリポジトリスコープで pull-requests: write を持つよう job 定義で明示しておきます。GitLab CI / Jenkins / CircleCI の場合は、bot ユーザーの Personal Access Token を CI の機密変数に格納し、ジョブ起動時に GH_TOKEN として export する構成が定石です。
CI から呼ぶ最小構成
最小構成は次の手順に分解できます。
- CI のジョブ起動条件を「PR の opened または synchronize」に絞る(全 push でレビューを走らせるとトークン消費が膨張するため)。
- ジョブ内で対象 PR のブランチを checkout し、Claude Code 実行用のセットアップ(
npm install -g @anthropic-ai/claude-code等)を済ませる。 claude --code-review --comment --pr <PR番号>を投げる(--prで対象 PR を明示)。- 終了コードを評価し、critical 指摘があれば CI を fail させて merge をブロックする。
インラインコメントの粒度と既存ボットとの棲み分け
--comment で投稿されるコメントは原則「行単位」または「差分ハンク単位」で、ファイル全体に対する総評は PR 本文のサマリに集約されます。reviewdog や Renovate の自動レビューと並行運用する場合、Claude は「設計とロジックのレビュー」を担い、reviewdog は「lint / format の機械検出」を担う棲み分けが現実的です。両方が同じ行にコメントを残すと PR 上の視認性が下がるため、Claude 側の --comment には effort レベルで critical のみを残す絞り込みを入れる構成が運用しやすい形です。CI 連携が回り始めると「あなたが寝ている間に PR にレビューコメントが付いている」状態が常態化し、レビュー待ちのリードタイム短縮に直結します。
v2.1.148 ホットフィックス — Bash exit code 127 リグレッションの即時解消
v2.1.147 のリリースから半日も経たない 2026 年 5 月 22 日 01:16 UTC(日本時間 10:16 JST)、Anthropic は Claude Code v2.1.148 を緊急ホットフィックスとして公開しました。一次情報は GitHub の v2.1.148 リリースノート で、リリース文面では「Bash ツール経由のコマンドが全て exit code 127 を返す」リグレッションへの対応であることが明記されています。exit code 127 はシェルが「コマンドが見つからない(command not found)」を返す番号で、PATH の解決が壊れた場合に発生します。v2.1.147 では Bash ツールが利用者の環境変数を正しく引き継げない条件があり、結果として ls や git のような基本コマンドさえ「存在しない」扱いで弾かれる状態になっていました。約 5 時間弱という対応速度は Anthropic 側の問題認識の速さを示しており、影響範囲の広さに対する危機感が伝わります。
自分が影響を受けているかの判定方法
判定は 2 段階です。まず claude --version の結果を確認し、2.1.147 が表示されているなら影響対象、2.1.148 以降であれば修正済みです。次に、対話モードで Bash ツールを呼ぶプロンプト(例: 「Bash で echo hello を実行して」)を投げ、結果に exit code 127 または command not found が含まれるかを確認します。両方とも満たす場合は、現在走っている連携手順や CI ジョブが大量に失敗している可能性が高いため、即時アップデートと過去ジョブの再走を並行で進める判断になります。
安全な切替手順
更新手段は導入経路で分かれます。
- npm で導入している場合:
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latestを実行し、claude --versionで 2.1.148 以降を確認する。 - 自動更新が有効化されている環境: 起動時に自動的に最新版に切り替わるが、念のため起動後に
claude --versionで確認する。 - 自動更新を無効化している環境(エンタープライズの監査要件等): リリースノート確認後に手動で同コマンドを流す。バージョン固定の社内ミラーがある場合はミラー側の更新も同時に行う。
- CI イメージで導入している場合: ベースイメージの再ビルドと、固定バージョンタグの巻き直しが必要。Dockerfile に
claude-code@2.1.147のような版固定指定がある場合は v2.1.148 に書き換える。
影響期間中に走らせた CI / 連携手順のフォローアップ
v2.1.147 をインストールした時点から v2.1.148 に上げるまでの間に CI から /code-review を走らせていた場合、Bash ツールに依存するレビュー観点(例: テストコマンドの実行結果に基づく指摘)が全て失敗扱いになっています。CI のジョブ履歴を grep して該当期間のレビュー結果を一覧化し、re-run キューに積み直すのが安全です。Bash ツールを呼ばないレビュー(静的解析のみ)はリグレッションの影響を受けないため、ジョブログの本文をキーワード検索して影響範囲を見極めると、再走対象を最小化できます。
移行チェックリスト — 社内ドキュメント・連携手順・教育コンテンツの更新
/simplify を /code-review に置換する作業は、grep で機械的に潰せる部分と、文脈を読みながら手で書き直す部分が混在します。機械置換で済む対象から先に潰し、残りを手作業で詰めるのが効率的です。下表は典型的なアセット種別ごとの置換ポイント整理です。
| アセット種別 | 置換対象の典型例 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 社内 Wiki / Notion / README | 「/simplify を実行してください」「Claude Code で /simplify」 |
全文検索で抽出し /code-review に置換、ついでに effort レベル指定の章を新設 |
| CI スクリプト / Makefile | claude --simplify claude /simplify の呼び出し |
claude --code-review または claude /code-review に置換、--comment 追加検討 |
| 新人研修・社内勉強会資料 | 「コードレビューには /simplify を使います」 |
スライド差分更新、改称の経緯と effort レベルの解説を 1 ページ追記 |
| 既存記事・ブログ | 公開済みの解説記事 | 末尾に「2026-05-21 から /code-review に改称」の追記、新規読者の混乱を防ぐ |
| Pull Request テンプレート | 「Claude に /simplify を投げてから提出」 |
/code-review に置換、effort レベル選択の指針を本文に明記 |
全置換のための grep 例
ローカルリポジトリと社内ナレッジ管理ツールで使える典型的な grep 例は次のとおりです。検索対象が広い場合は git grep や ripgrep(rg)を使うと高速です。
- リポジトリ内全文検索:
git grep -n "/simplify"を流して該当行と行番号を一覧化する。 - ripgrep でファイル単位の出現数を集計:
rg -c "/simplify"を実行し、修正コストが高いファイルを特定する。 - シェルスクリプトに限定:
rg -t sh "claude\\s+/simplify"で CI スクリプトのコマンド呼び出しを抽出する。 - ドキュメント形式に限定:
rg -t md "/simplify"で社内 Markdown 配布物を一括抽出する。 - 置換実行(慎重に):
git ls-files | xargs sed -i 's:/simplify:/code-review:g'を流すが、コードコメントや英文中の意図的な単語に当たる可能性があるため必ず差分レビューを挟む。
旧バージョン固定運用の判断基準
監査要件で外部ツールのバージョン更新に承認フローを挟む組織では、v2.1.148 への即時更新が物理的に間に合わないケースがあります。その場合の判断軸は、第一に「Bash ツールに依存するレビューを CI で走らせているか」、第二に「対象システムの可用性 SLA」、第三に「v2.1.147 の影響期間中に承認待ちのリスクをチームが負えるか」の 3 点です。Bash ツール依存のレビューが走っているなら更新を最優先で承認し、走っていなければ通常の承認プロセスでも被害が限定的です。社内ガイドラインに「セキュリティ更新は別線での即時承認を許可する」条項があるかも併せて確認してください。
関連トレンド — 新コマンド・大型機能化の同時期動向
/code-review 改称と同時期に、Claude Code 周辺では /goal コマンドの徹底解説動画(2026-05-22 公開、視聴 2,127 回 / YouTube)と、Agentic OS としての Claude Code 大型機能化を語る動画(同日公開、視聴 1,770 回 / YouTube)が相次いで公開されています。Claude Code の進化方向は「単発のコード生成」から「目標設定とレビューを内包したエージェント基盤」へ明確にシフトしており、/code-review 改称はその一連の流れの中で読むと位置付けが理解しやすくなります。連続リリースの全体俯瞰としては uravation.com の 5 週連続リリース解説記事 が、日本語先行解説としては AI 総研の Claude Code 更新まとめ が参考になります。
出典
- Claude Code v2.1.148 リリースノート(GitHub) — Bash exit code 127 リグレッションへのホットフィックス本文
- Claude Code v2.1.147 リリースノート(GitHub) —
/simplify→/code-review改称、effort レベル指定、--comment追加 - Anthropic 公式 changelog — Claude Code 全体の更新履歴
- AI 総研 — Claude Code アップデート解説 — 日本語先行解説(v2.1.147 まで)
- uravation — Claude Code v2.1.101 から 30 リリース 5 週間ガイド — 連続リリースサイクル俯瞰
- YouTube — Claude Code
/goal徹底解説 — 新コマンド需要の傍証 - YouTube — Agentic OS としての Claude Code — 大型機能化の同時期文脈