
Claude Remote MCP の使い方 — 公式コネクター・API・OAuth 認証を 2026 年最新仕様で解説
「Remote MCP って何?Local MCP と何が違うの?」と疑問の方も多いはずです。結論から言うと Remote MCP は HTTPS で公開されたクラウド型 MCP サーバーで、Claude.ai・Claude API・モバイルアプリすべてから使えます。本記事で全体像を整理しました。
- Remote MCP は HTTPS 公開型の MCP サーバー:Streamable HTTP または SSE トランスポートで外部サービスへ接続、Local MCP(stdio)と違い iPad・スマホ・Web アプリからも利用可能
- Claude.ai は Connectors UI、Claude API は beta header
mcp-client-2025-11-20:UI 派は OAuth 1 クリック、開発者はmcp_servers配列で複数サーバー同時接続が可能 - Free は 1 個、Pro/Max/Team/Enterprise は複数接続可:OAuth Bearer Token 必須、現状 tool calls のみ対応(prompts / resources は未対応)
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Remote MCP とは — Local MCP との根本的な違い
Remote MCP(リモート MCP)は、HTTPS エンドポイントとして公開された MCP サーバーに Claude が直接接続する仕組みです。従来の Local MCP が「自分の PC 上で stdio プロセスを起動して標準入出力でやり取り」する方式だったのに対し、Remote MCP は「クラウド上のサービスを URL で呼ぶ」方式に進化しました。
公式ドキュメントは次のように規定しています。
The server must be publicly exposed through HTTP (supports both Streamable HTTP and SSE transports). Local STDIO servers cannot be connected directly. (MCP connector — Anthropic 公式 2026-05 時点)
この変更により、PC を持たない iPad ユーザーやモバイルアプリからも MCP が利用できるようになりました。Local MCP は Claude Desktop / Claude Code 専用の閉じた仕組みでしたが、Remote MCP は Claude.ai・公式モバイルアプリ・Anthropic API すべての入り口から共通で使えます。
Remote MCP が動く 3 つの環境
Claude のプロダクト群のうち、Remote MCP が利用できる入り口は次の 3 つです。
| 入り口 | 接続方法 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Claude.ai | Settings → Connectors の UI | エンドユーザーが日常業務で使う |
| Anthropic Messages API | mcp_servers 配列 + beta header |
アプリ組み込み・サーバーサイド処理 |
| Claude Code | claude mcp add <name> <url> |
開発者がエディタから直接呼ぶ |
このうち本記事では Claude.ai と Messages API の 2 つを中心に解説します。Claude Code の MCP 設定は別記事「Claude MCP とは — できること一覧と接続 5 手順」で詳しく扱っています。
Claude.ai で Remote MCP を追加する手順
Claude.ai では「Connectors(コネクター)」という名前で Remote MCP を管理します。手順はプランによって 2 系統に分かれます。
Pro / Max プラン(個人向け)
- 右上のプロフィール → Settings を開く
- 左メニューから「Connectors」をクリック
- 「+ Add custom connector」を選択
- Remote MCP サーバーの URL を入力(
https://必須) - 任意で OAuth Client ID / Secret を設定
- 「Add」を押すと OAuth 認証画面に遷移し、ログイン完了で利用可能
Team / Enterprise プラン(オーナー設定)
オーナーが Organization settings → Connectors → Add で Web 型カスタムコネクターを組織レベルで登録し、メンバー各自が Customize → Connectors で接続を有効化します (Custom Connectors — Anthropic Help Center)。
Free ユーザーも Remote MCP は使えますが、同時接続できるコネクターは 1 個までです。複数サービスを横断利用したい場合は Pro 以上が必要です。
Claude API の MCP connector で Remote MCP を呼ぶ
開発者は Anthropic Messages API から直接 Remote MCP サーバーを呼べます。Claude 側に MCP クライアントを実装する必要がなく、リクエスト 1 本で完結します。
利用には beta header の指定が必要です。
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "X-API-Key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "anthropic-beta: mcp-client-2025-11-20" \
-d '{
"model": "claude-opus-4-7",
"max_tokens": 1000,
"messages": [{"role": "user", "content": "What tools do you have available?"}],
"mcp_servers": [
{
"type": "url",
"url": "https://example-server.modelcontextprotocol.io/sse",
"name": "example-mcp",
"authorization_token": "YOUR_TOKEN"
}
],
"tools": [
{
"type": "mcp_toolset",
"mcp_server_name": "example-mcp"
}
]
}'
なお、旧バージョンの beta header mcp-client-2025-04-04 は非推奨となり、現行は mcp-client-2025-11-20 です。旧版は tool_configuration を MCP サーバー定義内に書く形式でしたが、現行版では tools 配列に mcp_toolset として切り出され、allowlist / denylist / ツール単位設定が柔軟になりました
(MCP connector 公式)。
OAuth 認証 — Bearer Token の取得とリフレッシュ
Remote MCP サーバーの大半は OAuth 認証を要求します。Claude.ai 経由なら OAuth フローは UI が自動処理しますが、API 経由では呼び出し側がトークンを取得・更新する責任があります。
公式ドキュメントは API 利用時の OAuth 取り回しを次のように規定しています。
API consumers are expected to handle the OAuth flow and obtain the access token prior to making the API call, and to refresh the token as needed.
開発フェーズでのアクセストークン取得には、公式提供の MCP Inspector が便利です。
npx @modelcontextprotocol/inspector
起動後、SSE または Streamable HTTP を選んでサーバー URL を入力し、「Open Auth Settings」→「Quick OAuth Flow」で認可画面に進めば、access_token が画面上に表示されます。本番環境ではこれを安全に保管・自動更新する仕組みを別途用意する必要があります。
利用できる公式 Remote MCP サーバー一覧
Anthropic と提携した主要 SaaS は、すでに Remote MCP サーバーを公開しています。Claude.ai の Connectors 画面から OAuth 1 クリックで接続できる代表例は次のとおりです。
- Notion — ページ検索・新規ページ作成・データベース操作
- Linear — Issue 作成・ステータス更新・チーム別検索
- Atlassian(Jira / Confluence) — チケット起票・ドキュメント検索
- Asana — タスク管理・プロジェクト横断検索
- Cloudflare — Workers / R2 / DNS の操作
- Plaid — 金融データへの読み取りアクセス
- Sentry — エラー監視・スタックトレース確認
- Intercom — カスタマーサポートの会話履歴検索
これら以外にも Stripe・Square・PayPal・HubSpot・Salesforce など多数の SaaS が Remote MCP サーバーを公開済みです。最新一覧は Anthropic 公式コネクターディレクトリ を参照してください。
Local MCP と Remote MCP — どちらを選ぶか
両方式を併用するケースも多いため、選択基準を整理しておきます。
| 観点 | Local MCP | Remote MCP |
|---|---|---|
| トランスポート | stdio | Streamable HTTP / SSE |
| 動作環境 | Claude Desktop / Claude Code のみ | Claude.ai / iPad / Web / API すべて |
| サーバー実装 | npm パッケージ等をローカル起動 | クラウド上に常駐 |
| 認証 | OS 権限ベース | OAuth Bearer Token |
| 主な用途 | ローカルファイル操作・git・DB | SaaS 連携・チーム共有 |
| モバイル対応 | × | ◯ |
ローカルファイル操作や git のような「PC 上の資源に触る」用途は Local MCP のほうが向いています。一方、SaaS との連携や複数デバイスからの利用を想定するなら Remote MCP 一択です。
制限事項とハマりどころ
公式ドキュメントが明示している現状の制約をまとめておきます。
- tool calls のみ対応:MCP 仕様で定義された prompts / resources / sampling は未対応。tool 呼び出し以外を使いたい場合は TypeScript SDK の client-side helper を介する必要があります。
- HTTP 公開必須:Local STDIO サーバーには API から直接接続できません。stdio サーバーを Remote 化するには、自前で HTTP ラッパーを書くか、Cloudflare Workers のような中継を経由します。
- 対応プラットフォーム限定:API の MCP connector は Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry で利用可。Amazon Bedrock と Google Vertex AI は現状未対応です。
- ZDR(Zero Data Retention)非対象:MCP 経由でやり取りされたツール定義と実行結果は、Anthropic の標準データ保持ポリシーが適用されます。機密性の高いデータを扱う場合は要注意です。
まとめ — Remote MCP は「Claude をどこからでも使う」ための標準入り口
Remote MCP は、Claude を「PC に張り付いて使う道具」から「あらゆるデバイスから SaaS を横断操作できる窓口」へと押し上げる仕組みです。Claude.ai の UI 派は Connectors 1 クリックで、開発者は Messages API の beta header 1 行で、それぞれ最短ルートが用意されています。まずは Notion か Linear など普段使いのサービスを 1 つ繋いでみると、Local MCP との手触りの違いがすぐに体感できます。
WROTE — claude-remote-mcp