Azure で Claude AI を使う方法|Foundry と料金・違い

Azure で Claude AI を使う方法|Foundry と料金・違い

「Azure で Claude AI は使えるのか?」「Microsoft Foundry に統合されたって本当?」「Azure OpenAI Service の代わりに Claude を呼べる?」と検索した人が知りたいのは、Azure 上で Claude を呼び出す具体的な経路と、Azure OpenAI Service との使い分けの二点です。本記事は Microsoft 公式 Blog と Microsoft Learn、Anthropic 公式発表をもとに、Microsoft Foundry・Azure Databricks・Microsoft 365 Copilot の 3 経路を整理し、対応モデル・認証・料金・選び方までを 1 ページにまとめます。

結論powered by Claude

Azure で Claude AI を使う公式経路は 3 つに集約されます。第一が 2025 年 11 月 18 日に発表された Microsoft Foundry 経由のサーバーレス呼び出しで、Anthropic SDK と Messages API を Azure 認証で叩けます。第二が Azure Databricks の Mosaic AI Model Serving 経由、第三が Microsoft 365 Copilot の Researcher エージェントや Excel Agent Mode に組み込まれた Claude を業務 UI から触る経路です。

対応モデルは Opus・Sonnet・Haiku の 4.5 系以降をフル網羅しており、2026 年 5 月時点で Opus 4.8 / 4.7 / 4.6 / 4.5 / 4.1、Sonnet 4.6 / 4.5、Haiku 4.5、研究プレビューの Mythos まで Foundry の Global Standard デプロイで選べます。リージョンは East US2 と Sweden Central、認証は Microsoft Entra ID または API キー、課金は MACC(Microsoft Azure Consumption Commitment)対象です。

Azure OpenAI Service との違いは「同じ Azure 請求枠から別ベンダーのモデルを並べて使える」点で、GPT-5 系を Azure OpenAI、長文推論やエージェント実装を Claude、と用途別に組み合わせる構成が現実解です。Enterprise / MCA-E サブスクリプションが前提となる制約はあるものの、調達障壁が低いことから 2026 年は Azure 経由の Claude 採用が一気に広がっています。

目次 (12)

Azure で Claude AI を使う 3 つの経路

Azure 環境から Claude を呼び出す公式経路は、現在 3 系統に整理できます。Microsoft と Anthropic の公式発表出典に沿って分類すると、Microsoft Foundry 経由のサーバーレス APIAzure Databricks の Mosaic AI Model Serving 経由Microsoft 365 Copilot に組み込まれた Claude をエンドユーザーが直接操作する経路の 3 つです。

第一の Foundry 経由は開発者向けで、Anthropic SDK の Messages API を Azure の認証・課金・監視レイヤーから呼び出します。第二の Databricks 経由はデータ基盤と組み合わせる用途で、Spark や Unity Catalog 上のデータを Claude にそのまま渡せます。第三の Copilot 経由は業務ユーザー向けで、Excel・Word・Researcher エージェントが内部で Claude を呼び、利用者は API もキーも意識せずに使えます。

3 経路はいずれも Azure サブスクリプションの請求枠で完結し、Anthropic と別契約を結ぶ必要はありません。MACC(Microsoft Azure Consumption Commitment)の対象になるため、すでに Azure へコミット枠を持つ企業は 新規調達ゼロで Claude を試せる のが最大のメリットです出典

Microsoft Foundry で Claude を呼ぶ手順

Microsoft Foundry は Azure 上のモデルカタログで、2025 年 11 月 18 日に Anthropic 公式パートナーとして Claude が登録されました。利用フローは 5 ステップで、Microsoft Learn の公式ドキュメント出典に従えば 30 分以内に最初のリクエストが通ります。

  1. Azure ポータルから Microsoft Foundry プロジェクトを East US2 または Sweden Central に作成する
  2. Azure Marketplace で Anthropic Claude の提供を承諾し、対象リソースグループに Contributor または Owner ロールを付与する
  3. Foundry ポータルのモデルカタログから claude-sonnet-4-6 などのモデルを選び、Global Standard デプロイで配信する
  4. デプロイ詳細画面に表示される base URL(https://<resource-name>.services.ai.azure.com/anthropic)とデプロイ名を控える
  5. Anthropic 公式 SDK の AnthropicFoundry クライアントに base URL と認証情報を渡し、Messages API を呼ぶ

SDK は Python・TypeScript・C# の 3 言語に公式対応しており、REST(cURL)からも同じエンドポイントを叩けます。サンプルコードは Microsoft Learn 上に各言語版が掲載されているため、既存の Anthropic SDK 利用者は数行の書き換えで Azure 経路へ移行できます。

対応モデルとリージョン

Foundry の Claude カタログは、2026 年 5 月時点で 9 モデル をサポートしています。内訳は Opus が 4.8 / 4.7 / 4.6 / 4.5 / 4.1 の 5 世代、Sonnet が 4.6 / 4.5、Haiku が 4.5、そして防御サイバーセキュリティ向けに招待制提供される Mythos Preview の 1 種です出典

主要モデルの用途と上限は以下の通りです。

Claude Opus 4.8(Foundry preview)

最新フラッグシップ。1M トークンのコンテキスト窓と 128K の出力上限で、エンタープライズワークフロー・自律コーディング・金融分析・サイバーセキュリティに最適。adaptive thinking モードで難易度に応じて推論時間を自動調整します。

Claude Sonnet 4.6(Foundry preview)

標準モデル。Opus と同じ 1M / 128K の窓を持ちながら、速度とコストのバランスが取れているためアプリ組み込みの第一候補。adaptive thinking と max effort の両方を選べます。

Claude Haiku 4.5(Foundry preview)

軽量モデル。コーディング・エージェント用途で「near-frontier」性能を出しつつ、無料機能や大量サブエージェントに耐える速度・単価で動きます。

提供リージョンは East US2 と Sweden Central の 2 拠点 に限定されており、日本リージョンは 2026 年 5 月時点で未対応です。EU 圏向けには Microsoft Q&A 上で「Azure EU インフラ移行のタイムライン」議論が進行中で、データ主権要件のある企業は Sweden Central で当面運用する想定になります。

認証方法|Entra ID と API キーの使い分け

Foundry 上の Claude は、Microsoft Entra ID(旧 Azure AD) または API キー のいずれかで認証します。エンタープライズ運用では Entra ID が推奨で、DefaultAzureCredential クラスを使えば開発・ステージング・本番で同じコードを共有しながら、それぞれの環境変数や Managed Identity から自動的に資格情報を取得できます。

API キーは検証や PoC で使う想定で、apiKey をクライアント生成時に渡せばすぐ動きます。ただし Mythos Preview は API キー非対応で Entra ID 必須のため、研究プレビュー用途を持つ場合は最初から Entra ID 統合を組んでおくのが安全です。

認証時に注意すべき設定は次の通りです。

  1. Entra ID 認証時のスコープは https://ai.azure.com/.default で固定
  2. リソースグループに Contributor または Owner、リソースに Cognitive Services User ロールを付与
  3. base URL は https://<resource-name>.services.ai.azure.com/anthropic の形式、Messages 用のターゲット URI は末尾に /v1/messages を付ける
  4. API バージョンヘッダは anthropic-version: 2023-06-01 を指定

403 エラーが出る場合はほぼ RBAC 設定漏れ、404 はエンドポイント URL かデプロイ名のタイプミスが大半です。Microsoft Learn のトラブルシューティング表に主要エラーの解決手順がまとまっています。

Azure Databricks 経由で Claude を使う方法

データ基盤と組み合わせる場合は、Azure Databricks の Mosaic AI Model Serving 経由で Claude を呼ぶ構成が選べます。外部モデル機能を使うと Anthropic 公式 API を Databricks の Unity Catalog で管理し、SQL クエリや Spark ジョブから直接 Claude を呼べるようになります出典

2026 年 5 月時点では Anthropic Foundation Model APIs(pay-per-token モード)は 全テナント開放にはまだ達しておらず、利用可能なリージョンが限定されている 段階です。本番採用前に「自社の Databricks ワークスペースが対象リージョンに入っているか」を Microsoft サポートで確認するのが安全です。

データレイクハウス上の社内ドキュメントを RAG ソースにして Claude へ流す、bronze / silver / gold パイプラインの最終段で Claude に要約を生成させる、といった構成は Databricks 経由が最短ルートになります。Foundry と Databricks の どちらを主経路にするかは「データの所在」で決める のがシンプルな判定軸です。

Microsoft 365 Copilot に統合された Claude

業務ユーザー向けの第三経路が、Microsoft 365 Copilot への Claude 統合です。Anthropic 公式発表によれば、Copilot Researcher エージェントや Excel の Agent Mode で Claude が選択肢として組み込まれており、利用者はモデル選択メニューから「Claude」を選ぶだけで Sonnet / Opus を切り替えられます出典

Researcher エージェントでは Web 検索・社内データ検索・PDF 解析を Claude が一気通貫で処理し、Excel Agent Mode では数式生成・データ整形・分析プロンプトの実行を Claude にオフロードできます。ユーザーは API キーもプロジェクト ID も意識せず、Microsoft 365 ライセンス内で Claude の処理能力にアクセスできるのが他経路にない強みです。

ただし Copilot 経由は モデルバージョンが Microsoft 側で管理される ため、最新の Opus 4.8 を即日試したいといった用途には不向きです。プロンプトのきめ細かな制御・thinking パラメータ調整・長文コンテキスト活用が必要なら Foundry 経由を選びます。

Azure OpenAI Service との違い

Azure OpenAI Service と Foundry の Claude は、同じ Azure 請求枠から呼び出せる兄弟サービスです。違いは「モデルの開発元」で、Azure OpenAI Service は GPT-5 / GPT-4.1 系を、Foundry の Claude は Anthropic 製モデルを提供します。

両者の主な違いを整理すると以下の表になります。

項目 Azure OpenAI Service Microsoft Foundry の Claude
開発元 OpenAI Anthropic
主力モデル GPT-5 / GPT-4.1 / o4 Claude Opus 4.8 / Sonnet 4.6 / Haiku 4.5
推論モード Reasoning / Standard Adaptive Thinking / Extended Thinking
日本リージョン 対応(東日本・西日本) 未対応(East US2 / Sweden Central)
最大コンテキスト 200K〜 1M(Opus 4.8 / Sonnet 4.6)
認証 Entra ID / API キー Entra ID / API キー

日本データレジデンシー要件があり東日本リージョン必須なら Azure OpenAI、長文推論や Computer Use エージェントが主用途なら Foundry の Claude が推奨です。両方を並行採用し、タスクに応じてルーティングする構成も Azure 上では現実的になります。

料金とレート制限|Enterprise サブスク前提

Foundry 上の Claude は、現状 Enterprise サブスクリプションまたは MCA-E(Microsoft Customer Agreement - Enterprise)契約のみ が対象です。個人開発者向けの従量課金や Visual Studio サブスクライバー特典では呼べないため、PoC は会社の Azure テナントで実施する前提になります。

主要モデルの Enterprise レート上限は次の通りです。

  • Claude Opus 4.8 / 4.7 / 4.6 / 4.5 / 4.1:2,000 RPM / 2,000,000 TPM
  • Claude Sonnet 4.6:2,000 RPM / 2,000,000 TPM
  • Claude Sonnet 4.5:4,000 RPM / 2,000,000 TPM
  • Claude Haiku 4.5:4,000 RPM / 4,000,000 TPM

これを超える場合は Microsoft の quota increase request フォームから増枠申請します。トークン単価は Anthropic 直契約と同水準で、Azure の MACC コミット枠から消化されるため、「すでに Azure にコミットしている企業は実質割引で Claude を使える」 構図になります。

経路選びの判定軸

3 経路の使い分けは、開発体制・データ所在・利用者像の 3 軸で決めるのが分かりやすい整理です。

  1. API を自分で書くエンジニア組織 → Microsoft Foundry 直叩き(Anthropic SDK + Entra ID)
  2. データ基盤に Databricks をすでに採用 → Azure Databricks Mosaic AI Model Serving
  3. 業務ユーザーが Excel / Word から使う → Microsoft 365 Copilot 経由

迷ったらまず Foundry に Sonnet 4.6 をデプロイして Python SDK で 1 リクエスト通す ところから始めます。Foundry が動けば後段の Databricks 連携も Copilot 統合も同じ Azure テナント内で順に拡張でき、Azure OpenAI との並行運用やマルチ LLM ルーティングも同じ請求書の中で完結します。Azure と Claude を組み合わせる選択肢は 2026 年も拡張が続いており、社内 AI 基盤のロードマップに「Claude on Azure」を組み込む価値は今がピークです。

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