
Sub-agents の使い方
要約 — このレッスンの要点
- Sub-agents とは、親エージェント(オーケストレーター)が特定サブタスクを専門の子エージェントに委託するパターン。
- 専門性を分離することで、各エージェントのコンテキストをシンプルに保ち、精度と再利用性が向上する。
- 並列実行可能なタスクは Sub-agents で同時処理でき、処理時間を大幅に短縮できる。
- Anthropic の設計思想では「Many Hands(1 脳・複数実行環境)」と「Many Brains(複数の推論エンジン)」の 2 方向にスケールできる。
- Claude Code の
/ultrareviewはマルチエージェント並列分析の代表例。
目次 (8)
Sub-agents とは
単一のエージェントが大きなタスクをすべてこなそうとすると、 コンテキストが膨張して精度が下がり、エラーが出やすくなります。 これを解決する設計が Sub-agents パターンです。
親エージェント(オーケストレーター)が全体の計画を立て、 サブタスクを専門の子エージェントに委託します。 子エージェントはそれぞれの責務に集中し、結果を親に返します。
人間の開発チームに例えると、PM がタスクをフロントエンド担当・バックエンド担当・テスト担当に振り、 各担当が成果物を持ち寄る構造に近いイメージです。
専門性の分離がもたらす効果
各 Sub-agent に明確な責務を与えると、以下の効果が得られます。
- 精度の向上 — コンテキストが小さいほどモデルは的確に判断できる
- 再利用性 — 「テスト生成エージェント」「ドキュメント生成エージェント」のように汎用化できる
- 独立した失敗 — 1 つのサブタスクが失敗しても他には影響しない
- 並列実行 — 依存関係がないタスクは同時実行してトータル時間を削減
Many Hands と Many Brains
Anthropic の Engineering Blog が公開したスケーリングの設計思想では、 2 つの拡張方向が示されています (詳細記事 / 一次情報)。
- Many Hands — 1 つの推論エンジン(脳)が複数の実行環境(手)を操作するパターン。 ファイルシステム・ブラウザ・コンソールなど、異なる環境を並列に扱う。
- Many Brains — 複数の推論エンジンが共有リソースを操作するパターン。 コードレビュー担当・セキュリティ監査担当・ドキュメント担当など、 それぞれの視点で並列分析を行う。
この 2 方向を組み合わせることで、大規模で複雑な開発タスクをスケールさせられます。
Claude Code での実践例
/ultrareview コマンド
Claude Code の /ultrareview コマンドは Many Brains パターンの実装例です。
現在のブランチまたは指定した PR を、クラウド上で複数の分析エージェントが
並列にレビューし、包括的なレポートを返します
出典。
# 現在のブランチをレビュー
/ultrareview
# PR 番号を指定してレビュー
/ultrareview 123
カスタム Sub-agent の設計例
自分でマルチエージェント構成を組む場合の考え方を示します。
- オーケストレーター: タスク全体の分解・サブエージェントへの委託・結果の統合
- コーディングエージェント: 実装ファイルの変更のみ担当
- テストエージェント: テストコード生成と実行確認のみ担当
- ドキュメントエージェント: コードコメント・README 更新のみ担当
各エージェントに独立した CLAUDE.md ライクな指示ファイルを渡し、
余分な文脈を混入させないことがポイントです。
注意点
- Sub-agents 間のデータ受け渡しの設計を怠ると、依存関係が複雑になり管理コストが増す。
- 並列実行中のファイル競合(同じファイルを複数エージェントが同時編集)には注意が必要。
- 現時点では Claude Code SDK・API 経由での高度なオーケストレーション実装が必要なケースが多い。
詳細記事
スケーラブルなエージェント設計の全体像は 「Managed Agents で脳と手を分離する」で詳しく解説しています。